投稿情報: 06:48 カテゴリー: 2010 見た映画, ま | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
「マグノリア」作品が良いほど、評論家や観客から百家争鳴の意見がでます。
実は、私の家の庭にモクレン=マグノリアの木があります。
春になると、うすピンクの大きな花が咲きます。
この花、つぼみ、八部咲きのときは誠に綺麗ですが、満開で中を
見せると少々グロテスクな花なのです。
これは全くの私見ですが・・
人間は見かけが良くても本質はグロテスクな存在、よって
死に際には、己のグロテスクさを懺悔しないでは死にきれないのだ。
映画の最後にあのグロテスクの象徴である「蛙の雨」を降らすことで、
人間も所詮カエル程度のものだと達観し、いままでのグロテスクな
生き方を「許してやるか!」となる。この解釈はどうでしょう?
信じられない事は起きるものだという思わせぶりなプロローグは、
「カエルの雨も降ることある」という下地に過ぎません。
さて内容ですが、正に群像劇 テレビではERやLA・ローで同時進行の
複数劇があり、私はこのタイプは大好きだが、限られた時間の映画では
珍しい、これだけのエピソードをこなすには3時間は必要でしょう
しかも飽きなかったのは、多くの役者がそれぞれの役柄をを掘り下げて
個性的に演じていたからでしょう。
主役無き映画といわれるが、やはり死に際の演技(ジェイソン・ロバーツ)
が一番、今にも息を引きとりそうなのに、グロテスクな悪党だったことが
ヒシヒシと伝わって来た。
投稿情報: 04:56 カテゴリー: 2000 見た映画, ま | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
映画への思い入れや含蓄が随所に見られる
私は昔から映画そのものよりも 映画のパンフレットに記載された
メイキングを読むのが好きだった、今もDVD本体より付録のメイキング
を見る時に「至福」を感じる人なのです。
ということは映画や舞台つくりを題材にした映画、劇中劇という
ジャンルが好きなのは当然、というわけで「The マジックアワー」に一言。
題名の「マジックアワー」とは映画用語で太陽が消えてから、周囲が暗く
なるまでのほんの僅かな時間で、その瞬間に時カメラを回すと、見事に
美しく現像的映像になる。映画にとって貴重な瞬間(主役の言葉)である、
つまりこの映画用語をタイトルにして「映画つくり」の世界を表現した。
三谷幸喜が脚本&監督ゆえ、彼の映画への思い入れや含蓄が随所に見られる、
劇中、場末の映画館で何度も上映される「暗黒街の用心棒」は名画中の名画
「カサブランカ」'42 のパクリ、
セット全体の雰囲気も、ヤクザの大親分を騙すのも「スティング」'73、
ヤクザ組織の会計係と警察署長のキャラクターは「アンタチャブル」'87、
親分の愛人(深津絵里)の歌シーンは「ギター弾きの恋」'99、
おまけだが(小日向文世)の「ハリマオ」はあまりにもソックリでびっくり。
親分(西田敏行)の愛人に手を出した子分(妻夫木聡)が命と引き換えに、
親分が探し求めていた「殺し屋」を連れてきた。しかしそれは全くの偽者、
正体は売れない役者(佐藤浩市)だった。役者にはヤクザ映画で殺し屋を
演じてくれと嘘を言っていた。つまり二重の騙しだったのだ。
全て映画のワンシーンと思っている殺し屋にとって、ヤクザ同士の銃撃戦
も弾の中をヒョイヒョイと飛び回る、これには爆笑。
劇中であるが、市川昆監督が自らする最期の演出シーンを作った。
結果的として先輩の大監督に対してたいへんな敬意を表したことになった。
パンフレットによると、市川監督にこの映画の出来を聞いたところ、
「なかなかよく描けてる、でも長いな」との一言、
さすが適格な評価、私も思った、面白いが 少々長いかな!
劇中劇で私が好きなのはフランソア・トリュフォー監督の「アメリカの夜」
'73とウディ・アレン監督の「ブロードウエイと銃弾」'94だった。
そして、この三谷幸喜の「The マジックアワー」も加わることになろう
投稿情報: 06:58 カテゴリー: 2008観た映画, ま | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
先に見た「ミッション・インポッシブル 3」’06で、イーサン(トム・クルーズ)
の部下役で出ていたが、「アレキサンダー」’04やら、「エルビス」’05やら
このところ、メキメキと頭角を表してきた(ジョナサン・リス・マイヤーズ)が
主役を務めた「マッチポイント」に一言。
彼はハンサムな俳優であるが、なにかしら心に屈折した影を感じる役者である。
映画本によると、彼は捨て子で孤児院で育ち、高校も中退し、街で群がっている
ところをエージェントからスカウトされたと書いてある。
想像するに、幼い時からかなり辛苦を舐めてきたのだろう、このことが彼の仕草
の中に、一抹の悲しさと危うさを感じる由縁と思われる。(それが魅力でもあるが)
監督ウディ・アレンが、この映画「マッチポイント」の主役に抜擢したのは、映画
主役クリスの中に(J・マイヤーズ)自身の本質を見たからではないかと思えた。
舞台は英国ロンドン、元テニス・プレイヤーのクリスは、個人コーチをした縁で
大金持ちの一家に入り込み、気に入られ、その娘と結婚した。
義父(ブライアン・コックス)も彼がファミリーの一員として事業家なることを
期待していた。野心家のクリスにとって、人生の将来が見えてきたのだ。
しかし何と!義兄の婚約者ノラ(スカーレット・ヨハンソン)と不倫に堕ちてしまう。
ノラはアメリカのテキサス州からロンドンに演技の勉強に来た女優で
あるが、なかなか芽が出なかった。
多分、貧しい生立ちのクリスはアメリカ女の官能的な魅力に共感と
安堵を感じ取り、性愛に溺れていった。
教養があり、人生計画を着実に進め、育ちの良いリッチな妻と妻の実家
からもたらされる明るい未来、もう一方はアメリカ女との官能的な性愛
生活、やはり彼の順調な人生設計に狂いが生じ始めた。
男とはエゴイスティックな生き物、どちらを選ぶかは明白デスネ。
そして彼はある計画を実行するが、事態はますます悪くなり、いよいよ
マッチポイント状態に追い込まれる。
映画の最初「この世の出来事は偶然で成り立ち、人生はコントロール
出来ない」「テニスボールがネットに当たって、向こうに落ちるか、
こっちに落ちるかはツキであり、ツキで勝敗が決まる」とのモノローグ
で始まった。全てはこの言葉の体現がこの映画でありました。
推理サスペンスであり、いつもの作品ジャンルとは異なるとはいえ、
(ウディ・アレン)の風味は健在な作品であると思います。
そして(スカーレット・ヨハンソン)の色気に目まいがする映画でした。
私なら迷わずS・ヨハンソンとの自堕落な生活の方を選びますがネ。
投稿情報: 05:45 カテゴリー: 2006見た映画, ま | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
日本中のご婦人達から涙を搾り出したあの「マディソン郡の橋」が火事で
焼失したとの由、痛惜の極み、あの屋根つき橋(Covered Bridge)の
写真を見ただけで、条件反射の如く、愛の切なさが込み上げてきますネ
・・・今回は40才未満の方はご覧にならないでくださいませ。・・・
私の親友の妻などは上映当時('95)真夜中で雨に拘らず劇場から
家までの6kmを2時間ずっと、泣きながらトボトボと歩いて帰った
との事。よほど亭主の居る家に帰りたくなかったらしい。
本来、男女の縁は赤い糸で結ばれていると信じられていますが
内の夫が?内の女房が?とても赤い糸で結ばれたと思えぬカップルも
多いものです。
特に昔は 自分の意思でなく、回りの薦めや義理、親の厳命で
断れず嫁ぐことや、実家の事業欲や閨閥の結婚もあったでしょう。
一方、恋愛自由の昨今は、実地体験によるあまりに拙速な、
あまりに未熟な、相手の本質を知らないままの結婚が多々あるようです。
この映画「マディソン郡の橋」の女(フランチェスカ)はアイオワの
田舎に住み、二人の子供を生み、農家の保守的な生活をしてきた。
ある意味で自分の情熱を抑えて生きてきた45才の女である。
男(ロバート・キンケード)は放浪の写真家(52才)だ。
ローズマン・ブリッジを撮影するためにアイオワに来た。その道筋を
訊くために寄った家に、フランチェスカが住んでいたのだ。
会った瞬間、彼女の中で何かが跳ね上がった!
一方男は固まってしまった! 正に赤い糸を感じあったのだ。
男はクリント・イーストウッド、女はメリル・ストリープ
2大円熟スターの共演で二人が結ばれるまでを、ワインが熟成する
過程の如くゆっくり、じゅっくり演じてくれた。旨かったですネ
そして別れの名シーン、夫の車のノブにまで手が掛り、開けて夫の車から
降りるのかと思わせた。ご婦人達の「行くのヨ~」という声もあったと
記憶、しかし、やはり今までの人生を選んだ。家庭を捨てられなかった。
これが男との永遠の別れとなったが、女にとってこの4日間は、
この世に生まれてきた意味を教えてくれた4日間の恋だったのです。
上映当時、つくづく思った。我々亭主族は女房と数十年間共に過すこと
になるが、その女房にとって生まれてきた意味は他の男との4日間
であったと言われないために、日々精進せねばというものでした。
その事をすっかり忘れ、ぐ~たら亭主しておりましたが、今回の焼失
事件で計らずも思い出し。再度反省し精進することを誓ったしだいです。
投稿情報: 05:22 カテゴリー: 1990-1997 見た映画, ま | 個別ページ | コメント (0)
とうとう終焉を迎えました。「マトリックス・レボリューション」
どの映画もそうなのですが、SF世界が究極まで行くと、そこは宗教の
世界に辿り着きますよね。科学と宗教は対極(反対語)でありながら、
終着点は一緒です。よくタイムマシンもので出てくる未来人の衣装が
古代ギリシャの神官みたいなのも、未来ほど神の世界に近い証拠です。
さてマトリックスのマニアで無い私にとって、第一部から、この映画の
見所は斬新な映像でありました。
超コマ撮りとワイヤーアクションとCGを多用し、人間の視覚で見ること
できない領域のアクション映像を作りあげた功績は大であります。現在、
全てのアクション(Bad Boys2など)はこの手法を取り入れております。
この映画で好きなところは、私の住んでいる世界は実は「仮想現実」に
過ぎない。仏教でいう「現世とはほんの一瞬のはかなきもの、夢の如し」
に似ている。その夢を作り出しているのがマシン世界なのです。肝心の
人間は「さなぎマシン」で栽培されているのだ。
人間の幸せが、頭の中の認識に過ぎないならば仮想現実の幸せでも良い!
との考えもあろう。「バニラ・スカイ」の如く惨めな現世を生きるより
仮死状態のまま好きな夢を見る道を選択した人もいる。
私も女房をモニカ・ベルッチにプログラム変更してくれるなら仮想現実を
えらぶかもしれない。
冗談はさておき、第2部「リローデッド」の見所は高速道路アクションと
数々の新しい謎でありました。やっと見つけたキーマンの導きで、苦労
してソースに進入したのに、肝心のネオさんは人類救済よりも、恋人
トリニティー一人の救済を選んでしまった。この意味は?
いままで救世主としてここまで来たのはネオで6番目であった事実?
わざわざ肉感的なモニカ・ベルッチを登場させた意味は?
さて第3部「レボリューションズ」
見所はザイオンでの人間対タコ機械との壮絶な戦いであった。
迫力満点の名シーンだが、しかし映像モードは一昔前の(レイ・
ハリーハウゼン)のコマ撮り特撮に回帰していたのが面白い。
一言でいうと、第2部の出来事はさておき、一挙に手仕舞いへ!
それにしてもスーパーマン化したネオとスミスの果てしない
闘いの結果がどうしてあぁなったのか理解できないままの私!
あの最後の日の輝く絵画の様な世界は現世?仮想現実?
人間は解放されたはずだが、CP電源はどうなるの?
あの太陽はどこから?
マニアでない私の理解を超えた生殺しの状態です。
瓦版専門家の皆さん教えて!
投稿情報: 05:59 カテゴリー: 2003 見た映画, ま | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
マトリックス」'99は映像技術を革命的に進化させた映画だった。
肉眼では決して捕えられない領域を映像化し、アクションに取り入れ、
ド迫力と超高速を創り出した。当時、その斬新性に驚愕したものだ。
それ以後のアクション映画は例外無く、マトリックス的映像を取り入れた
ものばかりである。それが当り前になった今、果たして「マトリックス2」
はまだ先駆的でありえるのか?不安と期待半ばして映画を見たのです。
個人的にはカンフー・シーンに興味ありません、よってエージェント・
スミス100人斬りには感動しなかった。要は「マトリックス 1」の
ヘリコプターシーンを超えられるか?である。
しかし、あった!高速道路のチェイスシーンである。
トリニティー(C.A.モス)のオートバイ・チェイスとモーフィアス船長
(L.フイッシュバーン)のトレーラー上の決闘は正に見ものであった。
逆走バイク、追うパトカー、巻き添えになって次々転倒する車達、
大型トレーラーも横転。その映像に圧倒された、正に空前絶後のシーンだ。
何でもワザワザ3kmの高速道路を造っての撮影と聞き、改めてハリウッド
の実力に驚いた次第。
しかし、私がこの映画で好きなのは、アクションというより現実と
バーチャル(マトリックス世界)の哲学っぽい所であります。
この映画によると、私が生活している世界はコンピューターさんが、私に
合わせて創ってくれた架空のイメージ世界である。本当の私はカニカル
昆虫の中で栽培され、肉体電池として電力供給源になっている身であります。
ならば、願わくば、女房をもう少し美人でグラマーに設定して欲しかった。
冗談はさておき、ネオ(K・リーブス)はマトリックス「最後のドア」に
辿り着く、そこはまるで「2001年宇宙の旅」の終点を思い出させるシーン
だった。その創設者?と会話し、選択を迫られる、ネオの選択は如何に?
この選択は多分第3部に影響するのだろうが、良く判らんとこが良い!
おどろいたのは何と!(モニカ・ベルッチ)が登場したことだ。
この映画は、内容から、出来るだけデジタルっぽく、ヒーロー、ヒロイン、
悪党もみな無機質っぽい人を揃えたハズである。
突如、画面にそぐわない、熱っぽく肉感一杯のベルッチが登場した、
しかもネオと糸ひくキッスシーンもあったのだ。
あらためて判った、私には0.1.0.1のデジタルより♂・♀・♂・♀の
アナログ世界の方が好きだという事が・・。
投稿情報: 05:55 カテゴリー: 2003 見た映画, ま | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
投稿情報: 05:02 カテゴリー: ま | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
最近のコメント