今年(2022)も劇場で映画を観る件数が減ってしまった。
そう恐れている訳でもないが、やはりコロナゆえ外出を抑制
気味? そもそも歳をとって出不精になったせいであろう。
2022年 最後の劇場へ行っての映画は「母性」でした。
原作は(湊かなえ)の2012年出版された「母性」です。
港かなえは「イヤミスの女王」と呼ばれ「読んだ後
いやぁ~な気分になるミステリー作家」で有名。
私も「告白」2008「贖罪」2009 を読み両方の映画を観た時、
良くできた映画と評価するも、何となく不快感が残り、
自然と彼女の小説から遠ざかっていました。
私が珍しくハマったTVドラマがあった。(戸田恵梨香と
永野芽郁)の「ハコズメ~たたかう交番女子」(2021)である。
二人のコンビが絶妙で大変面白かった。その二人が映画で共演
するというので是非見たいと思い、劇場へ、しかし(湊かなえ)
原作の「母性」ゆえ、またいや~な気分になるのでないかと
思いつつ観賞した。
テーマは題名の如く「母性」、登場人物は母と娘と祖母と義母で
正に女の映画、男も出るが存在が薄い。女が元来持っていると
言われる「母性」は本能なのか? 獲得形質なのか?それとも
幻想に過ぎないのか?がテーマであるが、母性もさることながら、
人間が持っている意地の悪さが蔓延していた。
それも芥川龍之介の「羅生門」(1915)の如く一つの事象に対し、
関わる人のそれぞれの自意識で全く異なる評価となり、恨みつらみ
となる。恐れていた通りに見た後はいや~な気分になってしまった。
この映画は甲斐性の無い男と結婚した末路、姑のいじめ、母と娘の
葛藤を観ると、ああ結婚したくない、子供など欲しくないと益々
少子化に拍車が掛かるのでないかと心配しました。
母(戸田恵梨香)娘(永野芽郁)祖母(大地真央)姑(高畑淳子)
原作(湊かなえ) 監督(廣木隆一)
コメント
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