当事シャネルのCMで(ニコール・キッドマン)が話題になって
いるので、便乗して「白いカラス」原題「The Human Stain」に
一言お許しを。それにしても暗い映画を見てしまったものだ。
人間、誰しも自分の汚点(傷)Stainを隠しながら生きている。
しかし自分の過去を抹殺し自分の出自を替えて生きようとすれば
無理が生じ、結末は悲劇となる。
ユダヤ系米国人の古典学者(アンソニー・ホプキンス)は名門大学
の権威者であったが、授業中の一言が黒人差別発言と糾弾され
大学を追われた。あげくに心臓病の妻は心痛で急逝してしまった。
失意の彼は自分の名誉回復と友の裏切りを糾弾する小説を書か
せるべく作家(ゲーリー・シニーズ)の別荘地を訪れていた。
ある日、その地で働いている女(ニコール・キッドマン)と出会った。
なんと!その夜に男女の関係となり、そしてその後も逢瀬が続いた。
気性の激しいスッパな女であったが、女には悲しく重い過去が
あったのだ。
若い女の体に溺れる年寄り、次第に女の心の悲しみに触れて行く、
そして、悲しみを共有しはじめるのだ。
これ以上は是非 DVDをごらん下さい。悲しく悲しく重い映画ではある。
しかし70近いお年寄りがキッドマンとあんな関係になれるなんて、
ある意味、私らにとって希望の星的・映画でもある。
まぁこの年齢故、人(女)の悲しみを真に受け止めることが
できるのだが・・。そして人生の終末を濃厚な男女の愛で
締めくくるのは、むしろ幸せなことかもしれませんネ。
N・キッドマン、 A・ホプキンス、 G・シニーズ、エド・ハリス
渋い俳優勢ぞろい。「白いカラス」は本旨を含蓄した良い題名ですネ。
50才以上の男性にお勧めの大人の映画でした。
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