食の思い出!人には忘れられない定食があるものだ。
私にとっては大学生時代に毎日、毎日食べた「ホッケ定食」である。
アパートの近くにあった小さな食堂、めだたぬ暖簾が掛かっていたと
記憶。おばぁさんが一人で作っていた。焼き魚は、いつもホッケのみ、
それしかない。
それに玉子焼きがつく、一個分のかき卵をフライパンに広げた薄皮の
玉子焼き、さらに小鉢の納豆が付いて、タクアン2枚、どんぶり飯と
どんぶり味噌汁が付く。
どうです!中々でしょう?それで安かった、正直それまで実家でホッケ
など食べた事がなかった私、ホント毎日飽きずに食べた。小ぶりだが
脂が乗っている、炊き立のごはんとベストマッチで本当に旨かった。
やせたおばあさんだった、あまり会話もしなかったが、ある日ひっそりと
店が閉まっていた。どうしちゃったのかと気になり、その後時どき店開い
ていないかと通りすがりに見ていたが、再開することはなかった。
そして私の記憶から消えた・・・。
それを思い出させたのが、この映画「続・深夜食堂」2016 でした。
ある出版会社に務めるOLが、いやなことがあった日は喪服を着て、
この食堂で「焼肉定食」を注文する、やはり肉は元気が出る、
また頑張ろうという気持ちになれるエピソードである。
それから福岡から一人上京したおばあさんが、200万円もの
「来て来て詐欺」の被害にあった。気の毒に思った警官がこの食堂に
連れてきて好きなもの何んでも食べて良いと進めると、「豚汁定食」を
注文し、おいしそうに食べた。
なぜ豚汁定食か?マスターはなんでも作れるのに、おばあさんは
店主の一番の自信作と判ったからだ。この店、壁の品書き紙には
酒とビールと枝豆と豚汁定食しか書いていなかった。
その時思い出したのだ!私の通ったあの食堂の壁メニューも
ホッケ定食のみであったと・・・・
新宿の片隅で深夜から朝7時くらいまで店主(小林薫)が
一人で営業している。うまい食事と温かい人情の世界、
「男はつらいよ」以来久々、私も参加したい場所である。
原作は安倍夜郎のコミック、監督は松岡錠司、美術は原田満生、
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