ビリー・ボブ・ソーントンは7つの顔を持つ男
舞台は冬の中西部、ミネソタ、アイオワ、ウィスコンでしょうか
( 私も時々行く事があります)ここの冬は曇空と雪そして寒い、
広葉樹の森があり、小さな町がある。町の人は親戚か知り合いばかり。
そんな中での犯罪・・
暗い結果を予感しましたが、 やはりでした。
登場人物は本当に普通の人、森の中に墜落したセスナから
5億円を見つけてしまった。これを届けずに、着服してしまった。
さてこの秘密を守るため、
次々細工をする度に、殺人を重ねてしまうのです。
「大金を掴んだとたん欲望の固まりとなり全員殺し合う」のは
B級映画や学生の自主映画に良くあるプロットです。
そんな学生的プロットで、この映画が成功したのは、正に俳優の
演技の旨さにつきますネ。まじめなハンク(ビル・パクストン)が
妻の言葉に左右される表情、迷いながらも意を決し、殺人に至って
しまう経緯は違和感なく誠に旨い。
子を身ごもり、幸せそうな妻サラ(ブリジット・フォンダ)の心の中は、
その実は満たされていなかったのだ。そして一旦決心した後の女の強さ
は凄い、そして女の智恵は? これらを押さえ気味で旨く表現していた。
悪友ルー(ブレント・ブリスコー)の愚かさぶりも旨い。
そして何と言っても兄ジェイコブ(ビリー・ボブ・ソーントン)の演技は
抜群であった。少々魯鈍、言・動はおろか、しかし真理を知っている。
一見、世捨て人の様だが、本心はささやかな平凡な幸せを求めていた。
父親の影響、弟に対する嫉妬とそして深い愛情、良心と肉親愛の葛藤
などなど・・
この複雑な人物を演じたというよりこの人物を作り上げた感じがする。
(B・B・ソーントン)は7以上の顔を持つハリウッドの多羅尾判内だ。
もう本当の顔を忘れてしまいました。
、
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。