いやぁ~この2ヶ月間、決算やら総会やら忙しくてBlog出来ずでした。
というわけで最新作「GOEMON」を観ましたので 一言
歴史作家の加来耕三氏が言ってました。「歴史と歴史小説」は全く異なるもの。
たとえば同時代に生きていた歴史的人物が遭遇した事実がなくても、絶対会って
無いと証明されてなければ、歴史小説では勝手に会わせることができる。
昨年の大ヒット大河時代ドラマ「篤姫」で 篤姫(あつひめ)と島津藩士小松帯刀
(たてわき)が良い例、会ってもいないのに、熱い思いを寄せる関係に発展している。
宮尾登美子の原作本にも全く書いていないのに、あのNHKさんがヒットを狙って
勝手に作り上げたのです。
NHKでもやるのだから商業映画では当然!
「GOEMON」いわゆる大泥棒・石川五右衛門が生きた時代、あの信長、秀吉、
家康時代の歴史と人物関係を勝手な解釈で映像化してしまったのだ。
よく歴史考証学者が TVドラマに対して「ありえない!」と怒ることが多いが
この映画の(紀里谷和明)監督は「時代考証を無視して自由に行こう」と宣言した
確信犯であります。
よく職人気質の監督がCGはうそ臭くて使わないと言う人多いが、紀里谷監督は
「イメージ実現のためならどんどん使う」と宣言するCG映像派である。
上の二つの主義で映画を作ったら、滅茶苦茶なものが出来ると思いきや
どうしてどうして結構な秀作でありました。
それは脚本が良く練られているからだ、信長暗殺の真相、秀吉の本性、茶々の運命、
そして「関が原の戦い」の経緯などが意外なほど説得力があるのだ。
また五右衛門と霧隠才蔵と猿飛佐助と服部半蔵ら忍者の人間関係が妙に現実的であり、
最近の若者はこれが真実と思ってしまうだろう。
一見漫画的なCGをすばらしい芸術に高めているのは(林田裕至)氏の美術と外人の
衣装デザインである。安土桃山時代、日本と東洋と西洋の混在した不思議なテイスト
を作り上げてしまったのだ。伝統的時代劇からのデザイン脱皮は見事と言える!
主役五右衛門に(江口洋介)は新境地かな! その子分佐助に(ゴリ)、最近の漫才家は
役者ですネ、そして茶々に(広末涼子)、涼子ちゃんは「おくりびと」も好演したけど、
いろいろ人生した結果なのか、前よりズ~ト清楚可憐でよろしい。
そして秀吉(奥田瑛二)のあくの強さがいい、このまま行けば勝新太郎の後継に
なれそうと期待しております。
時代劇というより ロードオブリングス的ゲーム映像映画、若い人にお勧めしますゾ
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