デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタは両者とも1954年生ゆえ
実年齢55才、二人とも体型はズングリムックリ、ひたいは上がり、不精髭、
典型的な中年おやじだ。
ライダー(J・トラボルタ)はニューヨークの地下鉄123号を人質19人を
乗せたまま乗取った。身の代金は1000万ドル=9億3000万円を要求、
しかし1分遅れるたび、一人殺すと宣告した。さっそく車掌を撃ち殺した。
J・トラボルタはある時からキレる狂気役者をやらせたら右に出るものが
ないほどの役者になった。
タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」'94あたりからかナ?
その後は「ブロークン・アロー」'96でもキレ「フェイス・オフ」'97でもキレ、
そして極め付きは「ソード・フィッシュ」'01のキレ振りは演技でなく、
これが本性でないかと思ったくらい。今作も期待を裏切らずキレてくれた。
ガーバー(D・ワシントン)はニューヨーク地下鉄の運行指令室の職員、
いつもの格好良い敏腕FBIやニューヨーク市警ではなく、只の職員役である。
たまたまこの日、運行指令の仕事をしていたので、乗っ取り犯との連絡役と
なり、さらに成り行きから交渉役までしなければならなくなったのだ。
ガーバーの役目は、男がキレて人質が殺ろすのを思い留めさすことでもあった。
しかし、一人の若者の命を救うために、皆の前でガーバーは日本の電車メーカー
から賄賂を受け取ったことまで白状する破目に陥った。
煮ても焼いても食えない中年男同士の、こんなやりとりがこの映画の見所である。
そして金が届くのが先か、人質が殺されるのが先か、男がキレるのが先か?
ハラハラするのがこの映画の見所である。
全く無駄の無いコマ運び、大都会ニューヨークの混雑ぶり、まるでナイキの
コマーシャルフィルムの様な映像である。監督は(トニー・スコット)か!
兄(リドリー・スコット)と共にコマーシャルフィルムから出た映像作家だ。
トニー・スコット監督の映画で一番好きなのは「トゥルー・ロマンス」'93,
次に「スパイ・ゲーム」'01かな 、この映画を3番目に加えておこう。
と言うわけで、残暑を避けて、冷房の効いた劇場でお勧めの一本ですゾ。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。