この歳になるまで、数多くのパニック映画(えらく古臭い表現)を見て
きました。特に「地球最期」ものが好きで。殆ど見逃さずに来ました。
「万物の霊長」などと威張ってみても、人間も所詮は動物、宇宙規模の
崩壊が起これば、成す術を知らない哀れな存在である。
この手の映画の面白さは、
①先ず地球のおかしな予兆に気がついた宗教家と学者が狼狽する。
②次に自然の異変に気づいた農民がうろたえる。
③そして各所で崩壊が始まり、一挙に全体に広がる
④政府、特に米国大統領府は必ず秘密裏に何かをしている。
というのが定石で、ここまでのくだりが何ともミステリアスで、
私の最も好きな所であります。後はVFX技術を駆使して地球崩壊の
シーンが始まります。
パニック映画のもう一つの特徴は家族愛がセットされている所、
地球最期の時がくると、普段疎遠な家族でも、やっぱりよりどころは家族
=夫婦親子ということになるのでしょうネ。
この「2012」はこの定石通りの正に「正統派地球最期パニック映画」
と言えます。
往々にして予算が無いか?賞ねらいか?人間ドラマに主眼を置き過ぎて、
VFX的崩壊を出し惜しむ傾向がありますが、この2012はもう!
これでもか!という位に地球崩壊のシーンを見せてくれました。
さすが(ローランド・エメリット)監督、「デイ・アフター・トゥモロー」
'04より津波とビル破壊の映像技術に磨きをかけ、「 GODZILLA 」'98で
見せた踏み潰され、ビルの下敷きになった人々の映像技術が進化し、
今回、地が割れて落ちていく一人ひとりを丹念に映像化したのです。
地球の最期となると必ず出てくるテーマは「種の保存」
やはりキリスト教文明の国の映画なのか「ノアの方舟」が造られる。
全生物、植物一対と人間は「選民」作業が行われたのだ。
選ばれるのは「エリート」とやはり金次第という現実的なシーンもある。
「ディープ・インパクト」’98でも、「地球が静止する日」'08でも、
選民作業があったと記憶。
それにしてもこの映画で、今のわが国の位置(不作為の日本)を如実に
示している。米国やロシア、そして特に中国が人類生き残りプロジェクト
で主導的な活動をしているが、日本の存在感は全く無い、日本人も日本の
映像も無いのだ。
日本はまだ映画市場では大きいと思うが、日本への配慮はゼロだった。
いずれにせ3年後の世界「2012」は十二分に地球を破壊して
くれました。 満足!
コメント
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