話題作「アメリカン・ビューティー」やっと観ましたので、一言
なるほど現代アメリカの家庭生活の崩壊、病めるアメリカ人達を
コミカル&シニカルに表現し得た作品でした。
何ゆえこの作品が絶大なる評価を得たのか?もはや、この物語は
特殊な家庭の出来事でなく、大なり小なり自分達の家庭もこの傾向
あり!と見えるからでしょう。(当然ジャパニズ・ビューティーつまり
日本人の生活様式同じだ。)
世の中、一見幸せな家庭でも、とっくに愛は消え、価値観の違いで
喧嘩ばかりの夫婦や「仮面夫婦」は多い、また親を嫌悪する
反抗期の子、さらに親の手におえない「おかしな子」を持つ家庭も
多い。そんな中で生きていると皆、精神のバランスが狂ってくる。
そのストレス解消として、夫のオナニー、ホモ、ロリコン願望、
妻の不倫、ピストル所持、高感度ビデオのぞきなど、人間の隠れた
本性が出てきて、ゴタゴタするのが面白い。
そして「隣人は静かに笑う」ではないが、薄気味悪いおかしな人々も
近所に多々いる現実を見せてくれる。
夫婦・親子・友達、ボーイフレンド、隣人など全ての登場人物に、
ちょっとした振る舞いをさせて、その人柄を理解させた旨い映画
でした、特に映像カットが素晴らしかった。
「赤い薔薇」のお風呂に入ったアンジェラ嬢こそ、この映画のシンボル、
「アメリカン・ビューティー」であり、金髪で青い目、真っ白い肌の
美少女ロリータが大人の男を挑発する。
しかし、アンジェラ嬢はいかれたハイスクールの軟派娘と思いきや、
映画が進む内に意外と人を見抜いている子だと感じはじめた。
友の父親に誘惑の目を向けたのも、彼の内なる優しさに気付いたから、
隣りの青年をサイコと見抜き、毛嫌いし、特に、親友の駆け落ちを
「薬の売人と行っても幸せになれない」といさめたのもスゴイ。
そして、「いよいよの時」のオチにまいった!
父レクター(K・スペーシー)は目がさめた!軟派なつっぱり女と思って
いたが小心繊細な子だったのだ。
彼は判った、この子に自分の娘を見たのだ、娘も父を愛するがゆえ反抗
していたのだと。
しかしこの映画の最後の結末は正直失望した!
死人のナレーションもふざけすぎて好きになれなかった。
昔ならこんな結末に5のアカデミーは有り得ないのではと思いました。
皆様の評価はいかがでしょうか?
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