見所は、エイリアンの変身振り
スピルバーグの映画となると、我々同世代の者は呪縛の如く、
どうしても見てしまうんですワ、彼は1975年鮮烈に登場した。
映画の面白さを全て凝縮した「ジョーズ」をさぁどうだ!と
云わんばかりに見せつけた。しかも年令28と聞き、驚愕する
と共に、爾来、同世代の私にとって羨望の的になったのです。
当時、彼のキャリアを早々調べたが、まだ大学生の時に製作
したテレビ用映画1971年「DUEL=激突」を見て、彼が天才で
あることを確信したものだ。
そしてその「激突」に登場した巨大な殺人トレーラーを今又
「トランスフォーマー」として再登場させたのだ。
さらにこの映画の主役は青春真っ盛りの高校生カップルだが、
この青年サムこそ「バック・トゥザ・フューチャー」(85,89,
90)のマーティーそのものキャラである。
カタール砂漠の米軍前線基地に突然進入した戦闘ヘリMH-53は
突如、大型ロボット(ブラックアウト)に変身(トランスフォ
ーマー)し、激しく攻撃を始め、あっという間に米軍を全滅
させた。この無慈悲無差別な殺戮ぶりは「宇宙戦争」'05の
エイリアンそのものである。
米国大統領が搭乗している「エアホースワン」は正に空飛ぶ
司令塔である、その機内の隅に置いてあった小型のポータブル
ラジカセから突然足がはえカニの様なもの(フレンジー)に
変身した、そして米軍の全ての情報をハッカーし始めたのだ。
このカニのイマイマシさはまるであの「クリッター」'86の如くである。
今回のエイリアンは金属生命体(ロボット的な生き物?)で
ある、その生命のエネルギー源である巨大な金属立方体
(キューブ)を求めて地球にやって来たのだ。このキューブ
は丁度「2001年宇宙の旅」'68のモノリスの様なものでしょう。
ややこしいことに、善玉(サイバトロン戦士)と悪玉(デスト
ロン軍団)エイリアンがやって来て、この地球で、壮絶な戦い
を繰り広げたのです。
この映画の見所は、エイリアンの変身振りであります。
トレーラーから、救急車から、ヘリから、M1エイブラムズ戦車
から、カマロから戦闘ジェットF-22から大型ロボットに変身する
のだが、それがまるでルービック・キューブを解く如く正確に
詳細に、しかも激しく戦いながら変身していく、この映像技術
は新しく正に革新と言えるものです。
あの「ジュラシック・パーク」'93の映像技術で見事に恐竜を復活
させ、我々を驚愕させたスピルバーグが、新映像でまた我々の度肝
を抜いてくれたということでしょう。
そしてマイケル・ベイ監督とS・スピルバーグ製作総指揮者の
今までの作品や、多くのSF映画がオマージュとして登場し、
その映画が次々とトランスフォーマーしていく映画でもあると
思いました。
スピルバーグの映画は中盤まではこれでもか!と見せ場を作る
濃い映画だが、最後はあっけなく簡単に めでたしめでたしで
終わってしまう。今回も・・
金属生命体は人類より百万年も進んだ文明を持つ生きものですヨ
この地球で、じっと人間を見守り、控えめに生きることに決めた
様ですが、そんなことできるのか?
バンブルさんはサムの自家用車カマロとして一生仕えるらしいが
それは人間がアリに仕える様なもの、そんなこと我慢できるか
疑問デスワネ
やはり故郷の星へ帰るべきでしょう。
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