(三谷幸喜)の映画は一ファンとして見逃さない私、丁度「スター・ウォーズ/
フォースの覚醒」2015 時と重なって、ライバルは「スター・ウォーズ」と豪語する
ほど自信作と思えた。その映画は宇宙コメディー「ギャラクシー街道」である。
しかし!早々にインターネットで炎上していた「三谷の大失敗作!」とか「三谷
幸喜の才能が急失速!」とかである。少々先入観をもって劇場へ・・・
映画のストーリーは西暦2265年、木星と土星の間を結ぶ、宇宙間幹線道路、
通称「ギャラクシー街道」に浮かぶ小さな宇宙船のハンバーガーショップが舞台
まあ宇宙時代のドライブ・インである。
この店には店主ノア(香取慎吾)と女房ノエ(綾瀬はるか)と従業員ハナ
(大竹しのぶ)がいた。人間や様々な宇宙人が立ち寄り食事や休息をする
のだ。そこで起こる様々な人間、否!宇宙人模様が、この映画のテーマである。
ネットの評判通り!「面白くない」 元妻小林聡美さんの監修がないからだ!
とも言われる始末、少々気の毒だ。
三谷幸喜ですもの、何かねらいがあるはずだ。面白くない喜劇の裏の何かが?
なんだろうネ?三谷得意の群像劇だが、人間と宇宙人のたわいもない会話の
連続、しかし妙に明るい、昔の総天然色的カラート~ン、テンポ良いバック・
ミュージック。
これを見ていて思い出した。一昔前の「東宝の喜劇」 森繁・のり平・小林桂樹・
加東大介・フランキー堺らの「社長シリーズ」(1956~1970)の乗りである。
それも海外ロケ版「社長洋行記」「社長外遊記」の風味である。
このシリーズの往年ファンに怒られるかもしれぬが、同じ風味を感じたのだ。
「ザ・マジックアワー」2008から「東宝喜劇」の系譜を感じていた。
三谷作品は彼が少年の時観て感動した映画の影響を受けて来たと思う。
刑事コロンボの影響受けた「古畑任三郎」、グランドホテルの「有頂天ホテル」
大空港(1970)の「大空港2013」などだ。
今人気のNHK「真田丸」や「清須会議」(2013)は「スミス都へ行く」(1939)
や仁義なき戦い?の影響を受けているのかもしれない、陰謀と駆け引きが
テーマだからだ。
最近の喜劇は荒唐無稽では認められない。「人情喜劇」か「ロマンチック・
コメディー」など、ある程度真面目喜劇が主流である。
この「ギャラクシー街道」はそういう意味で一昔前の「意味なく何かオカシイ!」
ナンセンス喜劇であろう。
面白かったのは一か所あった。スペース・コールガール(田村梨果)である、
彼女の価格交渉は爆笑、しかし宇宙人とのアレでは味気ないネ!
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