5年間に6人目の首相となった、野田新首相が最大の危機「財政を再建」
すると宣言した。
国の年間収入は41兆円、支出は97兆円、不足分は国債=借金の44兆円で
埋めている。その結果、たまりに溜まって国債は950兆円に達した。
年収の23倍、予算の10倍の借金だ。
この宣言を聞き「武士の家計簿」を思い出した。一言感想を・・・
面白いね、この映画は神田の古本屋で茨城大学の磯田先生がたまたま
古文書(家計簿)を発見した。それをまとめた学術書を脚本化し
(森田芳光)監督で映画化したものです。
時代は幕末から明治に渡る親子3代の物語、猪山家は加賀藩(石川県)の
御算用者(ごさいんようもの)いわゆる経理部のお役目を果たしてきた家柄、
猪山直之(堺雅人)と父(中村雅俊)をあわせて約150石の年収がある。
藤沢周平もので映画化された海坂(うなさか)藩の侍さん達と比べてみると
「必死剣鳥刺し」の兼見三左エ門(豊川悦司)は物頭で280石、
たそがれ精兵衛(真田広之)は足軽で50石、鬼の爪の片桐宗蔵(永瀬正敏)
は35石、武士の一分の三村新之丞(キムタク)は30石ゆえ、この猪山
(いのやま)家は貧乏ではなく中くらいの家と思われる。
侍となれば士農工商で身分が一番高いのだから、面子とか体面を保たねば
ならない。さらに城中で役職が上がると、冠婚葬祭や年中行事や御礼など、
何かと出費が重むものだ。
ふたを開ければ何と年収の2倍の借金が貯まっていた、このままでは
「いずれ夜逃だ」というわけで、猪山家では財政再建=借金の返済作戦を
実行した。
まず必要最低限を残して、家財道具を売り払う、母の命より大事な加賀友禅を
売り払い、父の刀、祖母の書籍まで売り払った。これにより元金の4割を返済し、
残りは無利子の10年分割返済に高利貸と交渉成立させた。
あとは徹底的な倹約生活に入る、家計簿を作る、幼子に出納帳を持たせ
教育もする。
妻(仲間由紀恵)に問う「貧乏はつらいか?」答「貧乏だと思えば辛いけど、
工夫だと思えば楽しいです」凄い!立派! 政府と日本国民は見習うべき。
母(松坂慶子)の死際のシーン、加賀友禅を買い戻し母の布団に広げ皆で
見送ったのだ。正に感動のシーン、見事借金完済した故に出来たことでした。
家族愛に満ち溢れた映画、お勧めの映画です。
青春のシンボル、我らの(中村雅俊)が隠居役を好演した。
我らも歳をとるはずだ。
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