大人の男性雑誌で、よく淫靡な調子でオトコの夜には南米産
「@@カカオ」「@@チョコ」「ガラナエキス」の宣伝を見かけるが、
この映画を観て本当に効くんだと判った次第です。
あっ!こんなスバラシイ映画をそんな観点から見てはいけませんネ
「ショコラ」は2001年今のところ私のベストな映画だ・・・
この映画のテーマは人間の「自制」対「歓び」・・言葉を替えれば
「自己抑制」対「自己解放」、これをチョコレートを道具立てにして
表現したと思います。
この映画に悪人は登場しない、しかし十分な憎しみと不幸が存在する
これは正に我々の人生そのものだ。何ゆえか?
我々を囲む規範(宗教や教育、規律や因習、世間体、虚栄)が自分を抑え、
他人を抑え、お互いを不自由な境遇に落とすから発生するのだ。
その規範の象徴であるレノ伯爵を演じた(アルフレッド・モリーナ)が
絶品の演技だった。村の伝統と秩序を守る統治者、女房に逃げられる程の
堅物役を好演、よそ者ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)とチョコを
敵視し排除を図るのだ。しかし最後の落ちは抜群だった。
それから娘役の(ヴィクトワール・テヴィルソル)は私の泣ける映画の
代表あの「ポネット」ちゃんではありませんか、当時3才だった、大きく
なりました。この映画でも、あの事故のトラウマ(人形に話かける癖)
は未だ治ってませんでしたネ。
しかし良く考えると、現代は快楽至上主義、自分の快楽や欲望のため
他人を踏みにじる事件の連続だ、今望まれる人はヴィアンヌではなく
自己抑制主義のレノ伯爵の方と思いますが、いかがでしょうか?
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