1985年8月12日、あれから24年、やや四半世紀も経ったのか、
御巣鷹山(おすたかやま)、聞きなれない奇妙な名の山に
日本航空の旅客機が墜落した。生存者は女性4名のみ、
死者240名に及ぶ航空史上最大事故であった。その中には
私の知り合いもいたし、たしか歌手(坂本九)さんが犠牲に
なったと記憶。
この時、群馬県の地方新聞社が地元の名にかけ現場取材をした。
その狂騒の1週間を追った迫力のドキュメント的映画である。
原作はベストセラー作家の(横山秀夫)氏、何と!当時彼はその
地方新聞社の記者だったのだ。その時の体験を元に小説化した。
それゆえ迫力満点のはずだ、且つ男集団の軋轢と葛藤を生々しく
表現している。
今作はその同名の小説を今回映画化したものである。
主役は記者、悠木(堤真一)、新聞社内ではラインからはずれた
一匹狼的存在だったが、何故か?この事件の全権デスクを任され
たのだ。
当時の事故の事実と悲惨さの再現は誠に意義深いが、映画の
面白さは、一流紙との取材合戦であり、新聞社内のぶつかり
合いが凄いのだ。
普通の会社でも多少の対立があるが、新聞社とは、あんなもの
なのか?やはり皆、心に一家言ある、一匹狼ばかりの集団なの
だろう。
取材方法を巡って記者vs記者、第一面を巡って記者vsデスク、
記者vs編集の対立、紙面スペースを巡って記者vs広告部、
締め切り時間を巡って記者vs販売部が対立しまくる。
そして圧巻は悠木と社主(山崎努)の対立、情が絡み面白い
警察とマスメディアの対立や警察組織内の軋轢は原作者
(横山秀夫)の別小説「半落ち」のテーマであったし、
本作の映画監督(原田眞人)「突入せよ!あさま山荘」事件
(2002)でも見事に表現した。、この二人にとって「男社会の
権力闘争」は得意分野と思った次第。
それにしても原田眞人監督は不思議な人だ、ハリウッドに
人脈を持ち、「ラストサムライ」'03では日系米人大村を演じ、
「スピリット」'06のミスター三田役など外国映画に出演する。
一方国内ではメロドラマから社会派ドラマの監督と幅広い
活躍をしている人、才能ある人は違いますネ。
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