敵の首領(椎名桔平)のキャラはダース・ベイダーそのものだ!
「隠し砦の三悪人」この映画が封切りされたのは1958年、私は父に
連れて行かれ劇場で観た。幼少の私にとって「隠し砦」という響きに
何かワクワクした記憶があります。今聞いても洒落た題名だと思う。
この黒澤明の名作を50年振りにリメイクされたのだ。
黒澤ファンの私が行かない訳はない!海外への輸出も考えているのか
「 The Last Princes 」と副題もついていた。
ふむ~この副題はたしか「スター・ウォーズ」'77 のレーア姫のこと!
スター・ウォーズの作者・監督ジョージ・ルーカスは隠し砦の二悪人
太平と又七をモデルにしてC-3POとR2-D2のキャラを作ったことは
あまりにも有名な話だ。
樋口眞嗣監督はSWから逆輸入して、敵役の鷹山刑部(椎名桔平)の
キャラをダース・ベイダーそのものにした。
そして姫は今最も旬な(長澤まさみ)を起用、相手役の武蔵に(松本潤)
を擁して、青春恋愛ものにした。姫と百姓の恋とは少々辛いものがあるが
若者受けを狙い、旧作と似て非なるものに仕上げたと思われる。
SFXやCGを多様して派手な爆発シーンもあり、見せ所満載で面白い。
現代の青春時代劇ファンタジーとしてお薦めしますヨ。
さてこの辺で私の好きな新旧比較すると
①そもそも「隠し砦の三悪人」の面白さは「敵中横断三百里」と
「埋蔵金争奪」時代劇ファンタジー&アクションである、これは満足。
②それから二悪人、武蔵と新八(宮川大輔)の掛合漫才の面白さが、
この映画の勝負処なのだが、最初は面白かったが、後半、武蔵が二枚目に
なったころから掛合の面白さはトーンダウンしてしまった。
旧作 千秋実と藤原釜足の二人の馬鹿さは最後の最後まで永遠と続くのだ。
③時代劇の醍醐味はやはりチャンバラである
旧作では、歴史に残るシーンが二つあるのだ、一つはあの馬チェイス、
馬上での剣劇迫力は凄いの一言である、ロングで撮影しており多分、
三船敏郎自ら乗馬しながら両手を手綱から離しての剣さばきは見事。
黒澤の完璧主義の真骨頂と言える。
新作にも同じシーンがあるが、観てください一目瞭然 格が違います。
④もう一つは六郎太(三船)と敵の武将(藤田進)による槍の一騎討ち
これも歴史に残るチャンバラの名シーンである、迫力満点であり、両者
演技というよりも本気の勝負であった。
旧シナリオはこの勝負こそ武士道=武士の一分であり、最後のオチになる
重要なシーンであった。この最も凄いシーンは完全カットしてしまった。
⑤椿三十郎もそうであったが 新旧の差は何か!新旧の優劣をつける気は
毛頭ないが、時代劇俳優の剣さばきの差、そして馬の差でありましょう
旧作の馬達の尻は筋肉質で黒光りしておりますゾ。
皆様この新作もホント面白い!観てくださいませ、そして旧作も、
リメイクあるゆえに 旧作も観る若者が出る 樋口監督に感謝!
コメント
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