2008年観た新作ばかりでは、早々ネタ切れになりますので、
2007年観た映画の紹介もさせてくださいませ。
今回は友好ブログをショウアップして掲載しました。
ハンニバルの生い立ちを映画化「ハンニバル・ライジング」
に一言。
「羊たちの沈黙」'91「ハンニバル」'01「レッド・
ドラゴン」'02と全て見守ってきた私にとって、ここで
中断は許されない!との義務感で劇場へ直行した。
ハンニバル・レクターという殺人鬼、それもカニバリズム、
つまり「人肉を食う」という極めて残酷奇異な性癖を持つ
人物が何故出来上がったのか?今回ハンニバルの生い立ちを
映画化したのです。
彼は決して粗暴な悪漢ではない。
医者であり、宗教家であり、芸術家であり、心理学者であり、
調理人であり、美食家である。
それでいておぞましい程の残虐性を持つ食人鬼であるのだ。
それゆえ否が応でも、我々は彼の魅力に引かれる、結果!
映画は見事にヒットし続けたのだ。
トマス・ハリスの原作本「ハンニバル」の「記憶の宮殿」章
に述べられているが、第二次世界大戦下、ナチスとロシアに
蹂躙されたリトアニアで、伯爵家に生まれた幼いハンニバル
・レクターは想像を絶する悲惨な体験をした。
その事が彼の世界観と自己愛を形成し、果たして異常なる
殺人鬼を作り上げたのだ。
ごく短い章であったが、その悲劇は、私の心に強く残った。
しかし、前作映画「ハンニバル」2001ではその部分は全く
取り上げなかったのだ。
思うに、この前作の監督、名匠(リドリー・スコット)は
極めて貴族趣味な人物である。ハンニバル博士と同じく
芸術・美術に憧憬が深い。
よって古都フィレンツェの重厚な名所旧跡を紹介しつつ、
ダンテ神曲や宗教芸術を表現することに全力を尽すべく、
ハンニバルの生い立ちの章は敢えてカットしたのであろう。
それゆえ今作「ハンニバル・ライジング」という映画が
独立し得たと言える。トマス・ハリスはライジング章を
追作し、一本の映画に仕上げるため、自ら脚本もした。
若きハンニバル(ギャスパー・ウリエル)はパリに住む
伯爵未亡人・義叔母レディー紫(コン・リー)に救われる。
この青年期に、あらゆる教養を身につけた。
叔母は日本人ゆえ、武士道や作法、人間の品格や、剣道も
教わった。また医学生として解剖術を学び人体の全て
を熟知する。これが後の人肉食に役立つことになる。
しかし彼は妹ミーシャを失う悪夢に毎夜悩まされ続けた、
そして決してリトアニアの復讐を忘れることは無かった。
復讐が始まった、これは映画で!どうぞ。
まぁ監督の腕前の差もあろう、原作と脚本が同じであれば、
表現がついつい臆してしまったのかもしれない。
復讐方法は全てバイオレンスであったが、究極の残酷とは
言えないものだった。(私の感覚がマヒしているのか・・・)
「羊たち」での女の生皮を剥ぐ、「ハンニバル」の生きた
まま脳みそを食われる、又、生きたまま豚に食われるが如く、
この上もない程の後味の悪さが・・少なかった。
まだ若く未熟なハンニバルゆえであろうか、長じるに
つれ残酷を楽しむ、あのアンソニー・ホプキンスの域に
到達するのでしょうネ。
日本人の伯爵未亡人を(コン・リー)が好演していた。
「SAYURI」の芸者もチャンツイーが演じたが、ことごとく
日本女性役を中国女性に乗っ取られた昨今の風潮。
英語をぺらぺらしゃべれて色気ある日本の女優はいないのか?
渡辺謙、真田広之レベルの国際的女優の登場を期待します。
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