世界の均衡が崩れている!
アニメは私がまだ神童だったころ、
母に連れられよく行きました。東映動画「白蛇伝」'58 とか
ウォルト・ディズニーの究極の名作「ファンタジア」とかネ。
只のおじさんになってからは、
娘に連れられていった「千と千尋の神隠し」'01
息子に連れられていった「ファイナル・ファンタジー」'01
の2本のみで全く得手でないジャンル、感想は的はずれかも
しれませんが、折角観ましたので、「ゲド戦記」に一言。
映画情報誌によると、「指輪物語」「ナルニア国物語」と並び
「ゲド戦記」は世界三大ファンタジー、全6巻で190万部の
ベストセラー原作の由、この映画化というので劇場に足を
運びました。
プロローグ、大荒れの海を航海する船、上空には竜が出現し、
人間界では飢饉や疫病が発生、人心は乱れに乱れていた。
魔法戦歴の勇者であり、魔法界の頂点にいる「ゲド」はこの
風潮を「世界の均衡が崩れている」と心配し、アースシー国を
廻っていた。
ゲドは平和と自然調和が崩れていくのは、ある大きな邪悪な力が
働いているせいではないかと感じていた。
ゲドは道中で出会った少年(アレン)、少女(テルー)、そして
旧知の女!たぶん恋人(テナー)と共に邪悪な力に立ち向かった。
あとは映画やDVDをご覧ください。
菅原文太さんと田中裕子さんの声のみ はっきり判りましたゾ
指輪物語での敵は圧倒的な悪の世界であった、
ナルニナでの敵はそれなりの悪の集団であった、
今回の敵は、まぁ個人レベルの悪で、むしろ邪悪な心とか
弱い内面といったところ、世界の均衡を崩す力としては、
あまりに矮小で個人的すぎると思いました。
それからゲドが嘆く、心が荒廃した町「ホートタウン」だが、
どうみても平和なおとぎの国に見えてしまう、これがこの映画
が戦記というより、ゆるく甘いファンタジーのみにしてしまった
と思います。
いま私たちのいる現世は、テロ、中東の戦争、親の子殺し、
子の親殺しは日常茶飯事、児童虐待、女性監禁、淫行
麻薬の横行、医療ミス、金儲け主義の欠陥商品、危険食品などなど
正に「世界の均衡は崩れっぱなし」の真只中。
ゲドさんが嘆くアースシー世界より、よっぽど酷い状態です。
よって、この映画「平和な国の、心の戦記」に思えました。
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