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の5/24号テーマ「輪廻転生」に呼応して 2006年の日本映画
「輪廻」に一言
仏教用語で「輪廻=りんね」という言葉がある。
生き物は死んだあと、又 生まれ変わることができる、
それが永遠に繰り返される。
しかし生前の「行為」の如何で、人間になれるとは限らない、
様々な生き物に生まれ変わるのだ。
小さいころ、悪さをした時、「そんなことをしていると、こんど
生まれ変わると(うじむし)になるゾ!」とよく叱られたものだ。
よって今でも「輪廻」と聞いただけで背筋がゾッとします。
その輪廻をテーマにした映画、題名はそのまま「輪廻」でありました。
ホラーは、話すこと全てがネタバレになりますのでご注意を・・
さてこの映画では、人によっては生まれ変わる前の、その時、
自分だった人の記憶が かすかに残っている人がいたのだ。
皆さんの中にも、「あれ!この景色見たことあるゾとか、あの人
知っているかも?」とか全く、行った事、会った事ないのに見覚え
あることありません?そ・れ・こ~そ!貴方の前世の記憶なのです。
怖い!
しかも前世で、恨み辛みのまま、無念の内に殺されていった人は
生まれ変わった後も、その怨念が強過ぎて、生まれ変わった人に
その時の記憶が消えずに残った可能性が高いらしい。
この映画の主題は前世で受けたことへの復讐だが、何故そんなことが
可能なのかその原理が判らない。
現代に生まれ変った人達が、前世の時の怨念の記憶を受け継ぎ、
現世でその恨み辛みを晴らすというものだろうか?
それとも「輪廻」とは 誰も気が付かないが、須らく前世の因縁は
後世で必ず報いを受ける「因果応報の関係」にあるというものなの
だろうか?
それとも前世の怨霊が、生まれ変わりの人に背後霊として
とり付き、操り復讐を実行させというものだろうか?
35年前、陰惨な11人の大量殺人が実行(実験)された。
本当の理由は、そして何故今、その再現映画とシンクロするのか?
興味深い「輪廻理論の謎」が詳しく述べられていたなら、
理論的説明があったなら、もっと恐怖心が倍増したはず。
それから、この映画、日本ホラーにはめずらしく「ソンビ」が
出てきます。そもそも日本は死んだら火葬にしてしまうので
ゾンビ発生の余地は少なく、なじみが薄いのです。
彼らが出てきた瞬間、素面(しらふ)に戻ってしまいました。
日本ホラーにはゾンビは合いませんヨ
この現世の行い「業」によって来世の生まれ変わりが決まる
バラモン教の輪廻観は、今一番必要な教えの様な気がします。
例えば経済犯罪者はコガネムシになる、建築法違反者はシロアリ
になる、性犯罪者はうじ虫になるとすれば、多少とも犯罪防止に
なるかもしれません。
ところで、私は常々、私の前世はショウジョウバエかボネリムシ
だった様な気がします。 皆さんは?
投稿情報: 18:45 カテゴリー: 2006見た映画, り | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
劇場上映終わる寸前で、やっと「You've Got M@il」を
観る事が出来ました。ラブコメディーファンでEmailマニアなら
必見の映画なのに時間が無かったのです。
雰囲気作りが、すばらしい映画でした。舞台はニューヨークの
アッパー・ウエストサイドでの、お洒落な都会の出来事です。
ニューヨークの秋の落葉から、冬の雪、クリスマス、春の公園まで
恋愛の進展とともに季節が移って行きます。
またセンスの良い音楽がイージーリスニングで邪魔になりません。
やはりノーラ・エフロン監督の女性ならではの感性でしょう。
物語はEmailで知り合った二人の恋の行方であります。
Emailの内容はキーを打ちながら自分でナレーションするので
気持ちが一層伝わります。これは旨い映画手法と思いました。
トム・ハンクスのかすれた声とメグ・ライアンのキー打ちながらの
しかめっ面がなかなか良かった。
文面も最初の軽い話から、次第に心の中まで進んで行く、デイトを
すっぽかした後の文面など誠に旨いものだ、我々も参考にせねばと思う。
さて現代のアメリカ世相でしょう、大の大人が一人きりで居るわけ
無いので、主役二人もしっかり同棲相手がいながらEmailで純愛を
楽しんでいたのです。
ラブコメの常道として、現在付き合っている恋人がいながら、
本当に求めていた恋人が表われて、結ばれる話は多いのですが、
今回も大都会の大人の恋とはいえ、あまりの割きりの良さに少々あきれる
昔の恋人との別れを、もう少し泣きモードにして、メグの店もなんとか
立ち直る結末にすれば、ああ~いい映画観たな~と思ったでしょう。
投稿情報: 06:01 カテゴリー: 1999 1998 見た映画, ゆ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
1weekカナダへ旅行しましたが、機内で「ハンギング・アップ」を
観ましたので一言
ハンギングなんのこっちゃ?日本語にすると「電話を切る」か?
本邦上映では、「電話で抱きしめて」と旨い邦題にしてくれた。
監督はあの(ダイアン・キートン)
原作は(デリア・エフロン)製作が(ノーラ・エフロン)、
主演は(メグ・ライアン)とくればもう「You've Got M@il」風か
と思ってしまったが ラブロマンスではなかった。
これは正に私の好きな「3姉妹もの」=女性映画でありました。
一人暮らしの父親(ウオルター・マッソー)は手に負えないほど
気ままで扱いにくい男、さらにボケが進行していた。
次女のイブ(M・ライアン)は元来のパパっ子、病院から父の死期が
近づいていると知らされた。
病院の父からは頻繁に催促電話が来るし、看病と仕事と家庭の間で
悪戦苦闘のパニック状態となる。
一方、売れっ子作家で雑誌社社長の長女(D・キートン)も、
売れない女優の3女(リサ・クドゥロウ)も忙しくて父に会いに来ない。
小さい頃の思い出のシーンとイブの孤軍奮闘の今を
「ワンス・アポナ・タイ~ム」の音楽で交差させ、じ~んとくる場面
多々あった。特に、小さいころのメグそのものの子役がカワユカッタ
そして、最後は3姉妹揃って、父を看取るのだった。・・・
最近の米国映画、壊れた家庭の中に残っている、わずかな愛を
見つける映画が多いですネ。それが米国の現実なのでしょうか。
皆さんの推薦する「3~4姉妹もの」ありましたら教えて下さい。
Sanctom サンクタムとは聖所、複数形はSanctaサンクタ、Sanctusは賛美歌
Sanctuaryサンクチュアリとは鳥獣保護区域、避難所、駆け込み寺、
Sanctityとは神聖さ、そしてSanctionサンクションとは・・・制裁である。
と・いう訳で「人間が入ってはいけない神聖な場所 サンクタム 」に一言。
南太平洋パプアニューギニアの密林地帯に世界最大の洞窟体系「エサ・アラ」
があった。まだ人類が足を踏み入れていない地下水路が迷路の如く広がる
正に地球創生にも関わる場所であった。
世界的な洞窟探検家フランクM(リチャード・ロクスバーグ)を隊長とする
調査隊が探索をしていたが、あまりの複雑多岐な水脈路に手を焼いていた。
そしてこの島を大嵐サイクロンが襲った。大量の雨が激流となって洞窟に
流れ込み、洞窟が水没するのは時間の問題であった。逃げ道を失った調査隊が
助かる道は一つ、洞窟の水脈をたどり海に出ることのみであった。
暗黒の世界、押寄せる激流、極寒、限られた酸素ボンベ、希望は僅かである。
「アビス」'89や「タイタニック」'97など水中映画の名人で3Dのパイオニア
(ジェームズ・キャメロン)が製作総指揮、新鋭(アリスター・グリアソン)
に監督させた3D映画である。よくぞ水中でこれだけ撮影できたと驚愕した。
この映画を見て思った。冒険には「危険防止のためのルール」がある。
それを如何に守り実行するかである。水中では(酸素補助ボンベの携帯)
(ウエットスーツの着用)など必須。ちょっと手を抜くと全て死に繋がった。
それからどんな結果になっても、それは本人が決断し実行した結果のこと、
誰のせいでもない全て自己責任であるということだ。
父フランクに強い反感をもっていたジョシュ(リース・ウエイクフィールド)
だったが、極限の危機の中で父が判り、父の選択と決断に共感を覚えはじめた。
正にパニック映画の中で人間ドラマもある。
幼い時観た、失われた世界(ロスト・ワールド)’60でアマゾンの火山洞窟探検
を見て以来、秘境探検映画の虜になった私、この歳になってもこの手の映画は
観てしまいます。
投稿情報: 04:03 カテゴリー: さ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
世界の均衡が崩れている!
アニメは私がまだ神童だったころ、
母に連れられよく行きました。東映動画「白蛇伝」'58 とか
ウォルト・ディズニーの究極の名作「ファンタジア」とかネ。
只のおじさんになってからは、
娘に連れられていった「千と千尋の神隠し」'01
息子に連れられていった「ファイナル・ファンタジー」'01
の2本のみで全く得手でないジャンル、感想は的はずれかも
しれませんが、折角観ましたので、「ゲド戦記」に一言。
映画情報誌によると、「指輪物語」「ナルニア国物語」と並び
「ゲド戦記」は世界三大ファンタジー、全6巻で190万部の
ベストセラー原作の由、この映画化というので劇場に足を
運びました。
プロローグ、大荒れの海を航海する船、上空には竜が出現し、
人間界では飢饉や疫病が発生、人心は乱れに乱れていた。
魔法戦歴の勇者であり、魔法界の頂点にいる「ゲド」はこの
風潮を「世界の均衡が崩れている」と心配し、アースシー国を
廻っていた。
ゲドは平和と自然調和が崩れていくのは、ある大きな邪悪な力が
働いているせいではないかと感じていた。
ゲドは道中で出会った少年(アレン)、少女(テルー)、そして
旧知の女!たぶん恋人(テナー)と共に邪悪な力に立ち向かった。
あとは映画やDVDをご覧ください。
菅原文太さんと田中裕子さんの声のみ はっきり判りましたゾ
指輪物語での敵は圧倒的な悪の世界であった、
ナルニナでの敵はそれなりの悪の集団であった、
今回の敵は、まぁ個人レベルの悪で、むしろ邪悪な心とか
弱い内面といったところ、世界の均衡を崩す力としては、
あまりに矮小で個人的すぎると思いました。
それからゲドが嘆く、心が荒廃した町「ホートタウン」だが、
どうみても平和なおとぎの国に見えてしまう、これがこの映画
が戦記というより、ゆるく甘いファンタジーのみにしてしまった
と思います。
いま私たちのいる現世は、テロ、中東の戦争、親の子殺し、
子の親殺しは日常茶飯事、児童虐待、女性監禁、淫行
麻薬の横行、医療ミス、金儲け主義の欠陥商品、危険食品などなど
正に「世界の均衡は崩れっぱなし」の真只中。
ゲドさんが嘆くアースシー世界より、よっぽど酷い状態です。
よって、この映画「平和な国の、心の戦記」に思えました。
投稿情報: 04:58 カテゴリー: 2006見た映画, け | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
ハンニバルにおけるカニバリズム
ハンニバル・ライジングを述べたついでに 関連したことを一言。
文明社会におけるタブーの一つはカニバリズム。
これが行われる理由は、遭難時の飢えを凌ぐ行為と、
そしてもう一つが性衝動による人肉食があります。
これこそ「性と食」の究極の結びつきと言えましょう。
カニバリズムの代表映画は「食人族」'81伊、南米の裸蛮族の行為
とはいえ、女体串刺しやら、立ったままの出産シーンもあり、
明かに食と性を関連させている。
日本人でも「佐川君からの手紙」のパリ留学生人肉食事件や
「宮崎@事件」などが発生しており、あきらかに性的衝動だろう。
米国ではエド・ゲイン事件とヘンリー・ルーカス事件をヒントに映画
「羊たちの沈黙」が作られました。ハンニバル・レクターの人肉食
シーンにはいつもエロチックな雰囲気が漂っています。
特に、リドリー・スコット「ハンニバル」の最後の晩餐シーンは圧巻。
クラリスは乳房も艶なドレス姿、赤ワインは逸品シャトウ・ディケム
の70年もの、アントレ「脳みそのソテー」に合わせ厳選したものだ。
男の脳を一部切取りバターとエシャロットで炒め、黒トリュフを
ふりかけ、香ばしく調理。男は自分の脳をおいしそうに食べる、
クラリスはショックでワインを胸にこぼす、正にエロの極地であった。
この作品はフィレンツェが舞台、ヴェッキオ宮殿、ヴェッキオ橋、
パッツイ礼拝堂や様々な絵画など中世欧州を見せてくれた。重厚
な作品であり、三部作では最高、心に残る映画であった。
グルメ映画の内、邦画で思い出すのは伊丹十三監督の「タンポポ」'85
役所広司と黒田福美のラブシーンは凄い、乳首にマヨネーズを
塗ったくり吸う、食い物にまみれてS@Xしまくる。
圧巻は生卵の口移し合いKissシーン、「本当」の恋人同士なら
一度実行してみるべき行為と思う。
記憶あいまいながら、役所と若い海女の生牡蠣Kissもあったと
思う、カキからと処女を連想させる性的なシーンだったと記憶。
このタンポポはグルメガイドとしても秀作、伊丹作品で一番面白い。
以来、私は大友柳太郎の正式なラーメン作法を、実践しているのですヨ。
単純生物は口と排泄器と生殖器は一緒である、そこから進化した
人間も根子は同じ、よって食と性は関連しているのかも。
投稿情報: 22:58 カテゴリー: は, ミステリー | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
「隠し砦の三悪人」この映画が封切りされたのは1958年、私は父に
連れて行かれ劇場で観た。幼少の私にとって「隠し砦」という響きに
何かワクワクした記憶があります。今聞いても洒落た題名だと思う。
この黒澤明の名作を50年振りにリメイクされたのだ。
黒澤ファンの私が行かない訳はない!海外への輸出も考えているのか
「 The Last Princes 」と副題もついていた。
ふむ~この副題はたしか「スター・ウォーズ」'77 のレーア姫のこと!
スター・ウォーズの作者・監督ジョージ・ルーカスは隠し砦の二悪人
太平と又七をモデルにしてC-3POとR2-D2のキャラを作ったことは
あまりにも有名な話だ。
樋口眞嗣監督はSWから逆輸入して、敵役の鷹山刑部(椎名桔平)の
キャラをダース・ベイダーそのものにした。
そして姫は今最も旬な(長澤まさみ)を起用、相手役の武蔵に(松本潤)
を擁して、青春恋愛ものにした。姫と百姓の恋とは少々辛いものがあるが
若者受けを狙い、旧作と似て非なるものに仕上げたと思われる。
SFXやCGを多様して派手な爆発シーンもあり、見せ所満載で面白い。
現代の青春時代劇ファンタジーとしてお薦めしますヨ。
さてこの辺で私の好きな新旧比較すると
①そもそも「隠し砦の三悪人」の面白さは「敵中横断三百里」と
「埋蔵金争奪」時代劇ファンタジー&アクションである、これは満足。
②それから二悪人、武蔵と新八(宮川大輔)の掛合漫才の面白さが、
この映画の勝負処なのだが、最初は面白かったが、後半、武蔵が二枚目に
なったころから掛合の面白さはトーンダウンしてしまった。
旧作 千秋実と藤原釜足の二人の馬鹿さは最後の最後まで永遠と続くのだ。
③時代劇の醍醐味はやはりチャンバラである
旧作では、歴史に残るシーンが二つあるのだ、一つはあの馬チェイス、
馬上での剣劇迫力は凄いの一言である、ロングで撮影しており多分、
三船敏郎自ら乗馬しながら両手を手綱から離しての剣さばきは見事。
黒澤の完璧主義の真骨頂と言える。
新作にも同じシーンがあるが、観てください一目瞭然 格が違います。
④もう一つは六郎太(三船)と敵の武将(藤田進)による槍の一騎討ち
これも歴史に残るチャンバラの名シーンである、迫力満点であり、両者
演技というよりも本気の勝負であった。
旧シナリオはこの勝負こそ武士道=武士の一分であり、最後のオチになる
重要なシーンであった。この最も凄いシーンは完全カットしてしまった。
⑤椿三十郎もそうであったが 新旧の差は何か!新旧の優劣をつける気は
毛頭ないが、時代劇俳優の剣さばきの差、そして馬の差でありましょう
旧作の馬達の尻は筋肉質で黒光りしておりますゾ。
皆様この新作もホント面白い!観てくださいませ、そして旧作も、
リメイクあるゆえに 旧作も観る若者が出る 樋口監督に感謝!
投稿情報: 23:59 カテゴリー: 2008観た映画, アクション | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年観た新作ばかりでは、早々ネタ切れになりますので、
2007年観た映画の紹介もさせてくださいませ。
今回は友好ブログをショウアップして掲載しました。
ハンニバルの生い立ちを映画化「ハンニバル・ライジング」
に一言。
「羊たちの沈黙」'91「ハンニバル」'01「レッド・
ドラゴン」'02と全て見守ってきた私にとって、ここで
中断は許されない!との義務感で劇場へ直行した。
ハンニバル・レクターという殺人鬼、それもカニバリズム、
つまり「人肉を食う」という極めて残酷奇異な性癖を持つ
人物が何故出来上がったのか?今回ハンニバルの生い立ちを
映画化したのです。
彼は決して粗暴な悪漢ではない。
医者であり、宗教家であり、芸術家であり、心理学者であり、
調理人であり、美食家である。
それでいておぞましい程の残虐性を持つ食人鬼であるのだ。
それゆえ否が応でも、我々は彼の魅力に引かれる、結果!
映画は見事にヒットし続けたのだ。
トマス・ハリスの原作本「ハンニバル」の「記憶の宮殿」章
に述べられているが、第二次世界大戦下、ナチスとロシアに
蹂躙されたリトアニアで、伯爵家に生まれた幼いハンニバル
・レクターは想像を絶する悲惨な体験をした。
その事が彼の世界観と自己愛を形成し、果たして異常なる
殺人鬼を作り上げたのだ。
ごく短い章であったが、その悲劇は、私の心に強く残った。
しかし、前作映画「ハンニバル」2001ではその部分は全く
取り上げなかったのだ。
思うに、この前作の監督、名匠(リドリー・スコット)は
極めて貴族趣味な人物である。ハンニバル博士と同じく
芸術・美術に憧憬が深い。
よって古都フィレンツェの重厚な名所旧跡を紹介しつつ、
ダンテ神曲や宗教芸術を表現することに全力を尽すべく、
ハンニバルの生い立ちの章は敢えてカットしたのであろう。
それゆえ今作「ハンニバル・ライジング」という映画が
独立し得たと言える。トマス・ハリスはライジング章を
追作し、一本の映画に仕上げるため、自ら脚本もした。
若きハンニバル(ギャスパー・ウリエル)はパリに住む
伯爵未亡人・義叔母レディー紫(コン・リー)に救われる。
この青年期に、あらゆる教養を身につけた。
叔母は日本人ゆえ、武士道や作法、人間の品格や、剣道も
教わった。また医学生として解剖術を学び人体の全て
を熟知する。これが後の人肉食に役立つことになる。
しかし彼は妹ミーシャを失う悪夢に毎夜悩まされ続けた、
そして決してリトアニアの復讐を忘れることは無かった。
復讐が始まった、これは映画で!どうぞ。
まぁ監督の腕前の差もあろう、原作と脚本が同じであれば、
表現がついつい臆してしまったのかもしれない。
復讐方法は全てバイオレンスであったが、究極の残酷とは
言えないものだった。(私の感覚がマヒしているのか・・・)
「羊たち」での女の生皮を剥ぐ、「ハンニバル」の生きた
まま脳みそを食われる、又、生きたまま豚に食われるが如く、
この上もない程の後味の悪さが・・少なかった。
まだ若く未熟なハンニバルゆえであろうか、長じるに
つれ残酷を楽しむ、あのアンソニー・ホプキンスの域に
到達するのでしょうネ。
日本人の伯爵未亡人を(コン・リー)が好演していた。
「SAYURI」の芸者もチャンツイーが演じたが、ことごとく
日本女性役を中国女性に乗っ取られた昨今の風潮。
英語をぺらぺらしゃべれて色気ある日本の女優はいないのか?
渡辺謙、真田広之レベルの国際的女優の登場を期待します。
投稿情報: 05:49 カテゴリー: 2007観た映画, は | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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