60年代後半はSF映画の名作が集中しました。
ミクロの決死圏('66)宇宙大征服('68)猿の惑星('64)
2001年宇宙の旅('68)など爽そうたる作品があります。
これは当時,映画のSFX技術が飛躍的革新したのと、テーマが
生命や種の起源など哲学的領域に踏み込んだからでしょう。
元祖「猿の惑星」(1968)は封切り時、その猿マスクの
特殊メークに私達は驚愕したものです。正にその後の怪奇映画
メークの元祖といえましょう。
しかし,この作品が名作に成り得たのは
「あの意外なラストシーン」だからこそ!人類の愚かさ、
哀れな末路を表現したからに他なりません。
そういう意味でも「猿の惑星=あのラスト」は常に一体なのです。
という訳で、やはりNew2001年版の「猿の惑星」ラストも
色々様々な解釈が考えられますが、私は、やはりここが地球だった
と考えます。
皆さんご承知の通り「人間は猿から進化したもの」です。
猿が突然変異により長い年月を掛けて現在の人間になった
のでしょう。そして、今度はその人間が猿に遺伝子操作を
したため「猿人」が出来上がったと考えます。
そのことを前提にして、この映画のラストに百家争鳴
ですが様々な解釈を紹介します。
1)磁気嵐に巻き込まれた母船は地球に不時着した。
しかし、その地球は核戦争で全ての生命は滅びていた。
2)母船内で遺伝子操作受けたチンパンジーが母船内の
全ての猿種を支配した。
あわれな人間達は母船乗組員の末裔である、よって
皆英語を喋るのです。
長い年月が経つ内 そのチンパンジーは神となり祀られ、
猿人は支配者人間は奴隷となった。
3)宇宙飛行士レオ(マーク・ウォルバーグ)が数百年~
数千年遅れて不時着するそしてこの映画となるが、
彼の活躍で人間達は猿の奴隷から解放される。これは
人間と猿人との南北戦争(奴隷解放)として歴史付けされる。
4)その後セイド将軍(テイム・ロス)はアリ(H・B・カーター)
の計らいで釈放され,彼女と結婚し猿人と人間のため尽くし、
リンカーンの様な優れた大統領となり世界は発展する。
5)磁気嵐を抜け、レオが帰還した地球はレオが脱出した地球の
将来であり見たものはセイド大統領の記念碑であった。
というオチ
6)何故同じワシントン風?であり,セイドがリンカーン風
なのか?の疑問は、多分猿人は人間の遺伝子を一部植え付け
られたからでしょう
「人類(猿人)の歴史は繰り返す」ということでご勘弁を。
7) 母船に積んであった人類の歴史を記録した映像/ROMが
あり、それを学習(猿真似)したという説もあります。
その他の諸説
①猿の惑星は、脳を操作して、レオに見せた幻覚
これショートショートのオムニバスなら許せるが大作には
禁手ですネ
②焦りまくって半狂乱状態に陥った監督ティムバートンが、
破れかぶれに出したアイデア→これは捨て難い解釈
③レオが時空を越えたことで,歴史がまるごと消えて
しまった折角がんばったのに全く意味なかったね,と
いうかなり皮肉
私もこの点、気になっているのです。あのラスト、
ワシントンDCで飛行士レオをとり囲んだ警官や報道人の中に、
人間は見当たらなかった。つまり人間は滅んだか、
相変わらず奴隷の可能性も考えられます。
④私の新説を発表
上の如くレオが時空を越えたことで、全く別の歴史に
なった説を採用して
母船が不時着したのは、人類発生しつつあった太古の
時代であった。つまり猿が進化して人間になる直前に、
母船で遺伝子操作を受けた猿が到着し、それらの交配の
結果、人間でなく猿人が発生してしまった。
それが今までの歴史を作ったとすれば、リンカーンが
セイドであっても不思議では無い。
どうです、なかなか哲学的ではありませんか?
⑤ラストで彼がワシントンDCで見たものは・・・・
「リンカーン風の、レオ自身によく似た猿人銅像で
あった」
石碑には「我らの英雄レオ2世」と記してあった。
宇宙飛行士(レオ)は驚愕する!そうか、彼は
逃避中に猿のアリ(H・Bカーター)と愛を交わ
していたのだ。その末裔こそ、この大統領だったのだ。
お後が宜しい様で・・・・・
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