まだ上映中ですので ネタバレにご注意くださいませ!
SF映画の名作は何か?と問われれば 1に「2001年宇宙の旅」、
2「日本のゴジラ」、3,4が無くて5に「ブレードランナー」と
答えます。
何故か?近未来を予測し、生命の神秘の領域に入り、哲学的で
あり、我々人間の未来への警告が込められているからだ。
元祖「ブレードランナー」は今から35年前の1982年に制作
されたが、舞台は丁度今ごろ2019年11月の近未来を
予想したものでした。
地球は環境破壊され、人口過剰で大半の人間は他の星か
宇宙船に移住、取り残された者だけが地球で暮らしていた。
そこは近代高層ビルとごみ溜めの居住地が混然とした巨大
都市、街には犯罪が横行する無法地帯であった。
我々の今と比べると遙かに荒廃した世界である。
しかし映画の方が科学は進歩している。まず乗り物は反重力
を利用して空を飛ぶスピナーであること、人間は既に宇宙に
移住していること、遺伝子工学で造られた人間そのままの
レプリカントが発明され、奴隷として働いていることなどだ。
当時未来はこんなに暗いデストピアであると我々に植え付けた
新鋭監督(リドリー・スコット)の才能に驚き、この未来都市と
あらゆるギミック(生活用具)を創り出した未来アートの巨匠
(シド・ミード)さんのデザイン力を称賛したと記憶する。
さて今作「ブレードランナー2049」は更に30年後の2049年
であります。人間は愚かなものだ、環境破壊が続き地球汚染は
益々悪化していた。温暖化により海面は上がり、大半は海底に
沈み、ロサンゼルスは高層堤防でやっと保っている始末である、
サンジエゴはゴミ捨て場、ラスベガスは放射能汚染で無人の地に
なっていた。
さて主役のK(ライアン・コズリング)自身も新型レプリカント
であるが、彼は反抗因子を持った旧型レプリカントを処刑する
警察、いわゆる「ブレードランナー」であった。
彼は狭いアパートで人工知能で動く映像サービスに過ぎない
ホログラフィーの女ジョイ(アナ・デ・アルマス)と暮らしており
ジョイに恋をしていた。
彼に任務が与えられた、30年前逃避行した伝説の
ブレードランナー「リィック・デッカート」(ハリソン・フォード)と
その娘を探し出し始末することであった。
一方レプリカント製造元のウオレス社長(ジェレッド・レト)も
その娘を追っていた。娘は人間と旧型レプリカント「レイチェル」の
間に生まれた「正に奇跡の子」であり遺伝子を調べれば繁殖型
レカプリカントを開発できると考えたからである。
Kとウオレス社から送られたレカプリカントの戦いが始まった。
それは劇場でどうぞ!
監督は(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)さん、制作総指揮に巨匠で
元祖の(リドリー・スコット)さん
いやはや、人造人間も繁殖できる、AIと恋もできるし
何とか〇〇も出来た、記憶も創られる、人工食糧も開発
された。しかし肝心の地球は空気も水も土地も汚染された
デストピアである。
今から30年後のこの愚かな状況は、京都議定書や
パリ協定、そしてCOPに協力しない大国指導者たちや、
不便さに我慢できないエゴな我々の末路でありましょう。
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