アメリカの飛行機墜落というと、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロによる
ハイジャックされた4機の旅客機を思い出す。(AA航空11便)と(UA航空175便)
はニューヨーク世界貿易センターに激突し、ビルは崩壊した。(AA航空77便)は
アメリカ国防総省ペンタゴンに突入、(UA航空93便)はホワイトハウスを標的に
したが途中で大地に激突した。当然、搭乗者は全員死亡した。
それ以来、アメリカ飛行機の墜落と聞くと、テロと全員死亡がトラウマとなっていた。
そんな中2009年1月発生した(USエア1549便)がニューヨーク市
マンハッタンの上空でエンジンが停止、ハドソン川に不時着したが、155人全員無事
とのニュースを聞き、心底良かったナと思った記憶がある。
ご存知の通り、ニューヨークは高層ビルの摩天楼である、高層ビル間を切り抜け、
ハドソン川に着水させたのは、全てサレンバーガー機長の操縦技術と機転と判断に
よるものであり当時「ハドソン川の奇跡」として全米やマスコミで持て囃された。
これがあの(クリント・イーストウッド)監督、機長(トム・ハンクス)主演で映画化
されたので面白いこと間違いないと、早々見にいった。単なるパニック&英雄物語と
思ったが、違った!
私は全く知らなかったが、TVで英雄ともてはやされる一方、国家運輸安全委員会
(NTSB)が厳しい事故調査を進める内、パイロットの瑕疵が原因であると疑い、
-6度、水温2度への着水は、むしろ殺人未遂だとの疑いが出できたのだ。
彼は副操縦士(アーロン・エッカート)と共に公聴会に掛けられた。
NTSBは告発した、コンピューター・データではエンジン1基はかろーじて動いて
いた。コンピューター・シュミレーションからも、3組の別パイロット再現実験でも、
別の空港に戻れたはず。乗客を危険に合わせたのは機長の瑕疵と断定した。
空軍パイロットから40年の飛行経験の機長の主張と、エンジン停止から
3分28秒間のコンピューター・シュミレーションとどちらが正しいのか?
機長は公聴会で発言した。
シュミレーションは既にエンジン故障の状況を事実を知った上で、即空港へ戻り
始めている。現場で私は先ず補助動力を起動し、副操縦士がチェックリストを
確認し、エンジンの再起動を試みた、それでもダメなので、空港へ引き帰しの
決断を決めたのだ、しかしもう間に合わないと判断して水面不時着を決断しと
主張した。
機長の言う判断時間を加味したシュミレーションに替えると、何と!飛行機は
マンハッタンのビルに激突するか、滑走路に激突した画面となった。
冷酷な官僚達もコンピューター上のシュミレーションよりも、現実を経験と
技術で切り抜けた機長に脱帽した。これこそが(イーストウッド)監督
「ダーティー・ハリー時代」から画いてきた「官僚組織、きれいごと、机上の空論」
対「現場の判断、経験、度胸」そのものであった。
正にクリント・イーストウッドの真骨頂映画である。相変わらずリアルで無駄ない運び、
スリル満点で見た後大満足の映画だった。 凄い人だ!87才ですゾ
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。