常々、外国映画のタイトルは英単語の勉強になると言ってきたが、今回もそうだった。
「EXODUS」=エクソダズ、 なんだろな?エクソシストの続編かと思いつつ辞書を
調べると何と! 「出エジプト記」 のこと。 となると旧約聖書の 「十戒」ではないか!
「十戒」は1959年に制作された大作でモーゼを演じたのはあのチャールス・ヘストン
でした。巨匠(セシル・B・デミル)が制作・監督、あの紅海が真二つに割れるシーン
が有名、今見ると少々雑な特撮ですが、少年の私はに度肝を抜かれたものでした。
映画のXFS技術が超進化した今、リメイクするとどうなるか?という訳で劇場へ、
監督は現代の巨匠(リドリー・スコット)ですもの期待しますヨ、果たして海の二つ
割れシーンは迫力満点だった。あとヒッタイトとの戦争シーンも見もの。
リドリー・スコットの解釈するモーゼは自ら奇跡を起こす神の予言者ではない、むしろ
民を束ねる神との連絡役というところか、よって残酷な神の仕業に苦しむことになる。
モーゼ役は(クリスチャン・ベール)、彼のストイックな表情が良い、時々ヘストンか?と
思うほど似た表情もする、彼は苦悩する人間モーゼを好演した。
それに対決するエジプト王ラムセス2世は(ジョエル・エドガートン)だが、少々
ウエット過ぎ、あの十戒のクールな王(ユル・ブリンナー)には及ばなかった。
リドリー・スコット監督は凄いと思う、古代史から西洋史を取り上げ、一貫して宗教や
政治をテーマにする。「エクソダズ」ではヘブライ人(ユダヤ人)とイスラム世界の対立
を画いた。
「グラディエーター」2000は,名作剣闘士「スパルタス」1960と「ローマ帝国の滅亡」1964
のリメークによってローマ史を紹介している。
そして「キングダム・オブ・ヘブン」2005 は十字軍遠征によるキリスト教徒、ユダヤ教徒、
そしてイスラム教のエルサレム争奪戦を見事に描いた。
そもそも、このヘブライ人達は「元祖アブラハム」が今のシリア(アッポッレ)からエジプト
に移り住んだ子孫である。
「出エジプト記」とはエジプト王の奴隷となった40万人のヘブライ人を引き連れて
エジプトを脱出し、約束の地カナン(現イスラエル)を目指したことである。
カナン=イスラエルは3000年に渡るアラブ人対イスラエル人の紛争の地、
今やこのシリアからヨルダン、リビア、イラクはISIL=イスラム国登場で複雑怪奇、
残酷の極み、恐怖の紛争地域になってしまった。
カナンは「乳と蜜の流れる地」ではなく正に「血の流れ出る地」であったのだ。
いずれにせよ 日本人は、なんでもあがめる仏教徒でよかった・・・
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