映画は時代を表現し、時代を先取りする。特にSFものはその傾向が強い。
1968年の名作「猿の惑星」を劇場で観た時の衝撃は今でも忘れない。
地球へ帰還中の宇宙船が故障し、ある惑星に不時着した。
何と!その惑星は猿が支配し、人間が家畜という全く逆転した社会であったのだ。
船長は名優チャールトン・ヘストン。そして衝撃のラストシーン!彼が発見したのは
崩れた「自由の女神」だった。何と猿の惑星とは、核戦争で滅びた地球であったのだ。
当時は米ソ冷戦時代、核兵器拡大の一途!正に核戦争への警鐘でもあった。
そして43年後の2011年映画「猿の惑星:創世記」のテーマは遺伝子操作の
危険である。今や人間は遺伝子をいじくる時代、ある意味「神の領域」に入って
しまった。
製薬会社の神経学者ウイル(ジェームス・フランコ)は現代人が求めて止まない
アルツハイマー遺伝子治療薬を研究していた。この薬は脳の機能を高めるもの、
その結果、実験台に使っていた雌チンパンジーから生まれた赤ちゃん猿シーザー
(アンディー・サーキス)は驚くほど知能が高く、育っていった。
しかしこの治療薬の最新型は人間に対して、猿インフルエンザ感染という副作用を
もたらしと、高い致死率の病気として世界的に爆発感染していく。
一方知能が発達したシーザーは監禁され、その看守から動物虐待を受ける。
仲間の猿に新薬を飲ませ、檻から解放し、彼らを従えて人間への反逆を図るべく、
シーザーは仲間を引き連れてサンフランシスコの南の森へ身を隠したのだ。
人間は猿インフルエンザで滅びつつあり、猿は繁殖しつつある世界に進む。
元祖猿の惑星は「核戦争のリスク」 この新作はアルツファイマー、 新薬開発競争、
遺伝子操作、 鳥・猿インフルエンザなど「現代のリスク」を見事に映画化した。
監督はルパート・ワイアット
主役シーザーにはモーションキャプチャーの第一人者アンディー・サーキス
彼はロードオブリングスの ゴラムさんです。
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