そもそも巨匠が別の巨匠の映画を創り得るのでしょうか?
巨匠が巨匠たる所以は正に個性を映像化する力量であります。
とりわけ(スタンリー・キューブリック)は自我強く、原作を解体し別物に
仕上げるに全く躊躇無い監督であることは「シャイニング」で証明済みです。
また「必要のないカット」「理解不可能なカット」も時々あることは
「アイズ・ワイド・シャット」などで証明済みです。
しかし、この難解さがキューブリックの最大の魅力になっています。
観終わって思った、この映画はあまりに真面目でキッチリと几帳面な運びなの
です。という事は「A・I」はまぎれもなく(スティーヴン・スビルバーグ)監督作品で
ありました。
「映画権を持ち企画を進めていた巨匠(S・キューブリック)が死去したので、
巨匠スピルバーグが監督を引き受け完成させた。」
「 2001年宇宙の旅 」’68 で人工知能「ハル」が見せてくれた如く、
今作の人工知能 A・I (Artificial Intelligenceの意味)のデビッド坊や
(ハーレイ・ジョエル・オスメント)君が「愛すればこその 裏切り」でも見せて
くれると期待したが、最後まで「母を尋ねて3000里」を続けて愛を貫き通したのです。
愛!特に母と子の愛は永久普遍のテーマとはいえ、人工知能から改めて愛を
教えても貰わねばならぬほど人間はダメになった訳でもなし、随分金を掛けた
「教訓映画」であると思った次第です。
それにしても人工知能、ロボット、クローン人間、地球温暖化、氷河期、全ての
未来を網羅した映画である。
やはりこの映画の行く末は二酸化炭素による温暖化の水没とその後に来る氷河期で
人類は滅びるのです。今起こっている地球的規模の大災害は正にこの結末に至る
前兆であります。
一刻も早く地球温暖化防止の京都議定書の精神に従い、COPを推進すべきだ。
もし、それが出来たらなら、まぎれもなくキューブリックの遺作と言えましょう。
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