フランスのリヨンからヴェニス(ヴェネチア)行きの列車、
米国人の旅行者「ツーリスト」の向の席に、さらりと女が座った。
男はあまりの美しさに見とれ、しばし放心する。
ヴェニス駅(船着場)に立っていると、また女が現れ、高級ホテルに
夫婦として同宿することになった。訳が判らぬまま、女があまりにも
美しくて言うがままに従うしかないのだ。
翌朝目が覚めると女は消えていた。そして突然その部屋で見知らぬ
男達に襲われる。命からがら逃げた。どうも彼は国際指名手配犯と
間違えられている様だ。
あとはヴェネチア市警に追われ、英国警察に追われ、そして謎の一団
に殺されそうになる。ヴェニスゆえカーチェイスならぬボードチェイス
の逃走劇となる。
これは典型的な「まきこまれ型」サスペンスである。
目をみはるばかの謎の美女は(アンジェリーナ・ジョリ~)
まき込まれた男を演じるのは当代随一の男優(ジョニ~・デップ)
映画はやはり、昔の映画の如く、主役は美男美女に限るものだ。
欧州の名所パリとヴェニスを舞台に背景は美しく、アクションでさえ
エレガントである。(ほとんど、CG抜きのアクションと推察)
あぁ~、この風味、これは!あのヒッチコック・サスペンスの風味である。
あのケイリー・グラントとバーグマン、グレース・ケリー時代の風味
である。
そしてヒッチコックならば、最後の「どんでん返し」もあろうとの期待を
裏切らず、見事な結末に溜飲が下がる。
一時とはいえ、日本の失われた10年の憂さと、今の被災の悲しみを
忘れさせてくれた。お勧めします、本当に映画って良いものですネ
コメント
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