コーエン兄弟・監督が西部劇を作ると、こうなるという映画。
西部劇の舞台といえば、強くギラギラした太陽と赤い砂漠が定番だが、
コーエンさん季節を冬して、雪が降る中での荒涼たる西部劇に仕立てた。
舞台はオクラホマ州、牧場主の父親が旅先で雇い人に殺された。
遺体を引き取に来た14才の娘マティは誓った。愛する父を殺した男を
絶対に許さない、「探し出して、必ず縛り首の台に乗せてやる」と・・
題名「トゥルー・グリット」とは「真の勇気」という意味で、正に
「悪は許さじ」「不正に立ち向う」「独立自尊」精神そのものなのです。
しかし犯人は悪党団に入り、保安官が手を出せないインディアン居住区に
逃げ込んだため、連邦保安官たちは追跡をあきらめていた。
そこでマティは私的に保安官を雇った。粗っぽく大酒飲みで片目でアイ・
パッチをした保安官ルースター・コクバーン(ジェフ・ブリッジス)である。
さらに同じ犯人を追跡していたテキサス・レンジャー(マット・デイモン)
が加わり、曲者二人の男と少女という三人の「追跡の旅」がはじまった。
いやぁ~、この映画完全に少女マティ(ヘイリー・スタインフェルド)が
主役ですワ、あのベテランのアカデミースター(ジェフ・ブリッジス)と
最も旬な(マット・デイモン)を両脇に配して、二人に負けない存在感を
示した。
おさげ髪でまだまだあどけなさが残る少女である、しかし男達との取引ぶり
は凄いのひと言、利発で度胸がある。最初は女・子どもと馬鹿にしていた
男達も一目置きはじめるのが誠に面白いのだ。
多分(ジェフ・ブリッジス)も(マット・デイモン)も映画序列からも、
もっと前に出るはずが、彼女に圧倒されて自然とワキ役になってしまった
と推察します。 それがこの映画の面白さと成功した所以と思いました。
原作はチャールズ・ポーティスの連載小説「トゥルー・グリット」で、
それを1969年に「勇気ある追跡」で一度映画化されています。その時の
主役保安官はあのハリウッドの大スター(ジョン・ウェイン)でした。
これでアカデミー主演男優賞(遅かったが)を受賞しています。
コーエン兄弟いわく、今作「、「トゥルー・グリット」は「勇気ある追跡」
のリメークではありません。原作に忠実に作った新作である。正に蓋し!
「勇気ある追跡」1969 は典型的は男の西部活劇、「トゥルー・グリット」は
なにかエキゾチックな逸話集の感がありますネ。
コメント
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