真っ赤な光でライトアップされた夜の東京タワー
大都会で繰り返される人間の夜の営みを窓から覗き見している様だ。
逆に窓から見えるタワーは赤く熱した男のシンボルにも見える。
直木賞作家・江國香織の小説の映画化「東京タワー」に一言
年寄りの男が無意識のうちに若い女に走るのは生物学的に
高い受胎率を求めてのことらしい。
逆に若い男が、年増の女に走るのは生物学的には謎であるが、
この映画を見て解明できるかもしれないと思った。
CMプランナーの浅野詩史(しふみ)(黒木瞳)は都会的なセンスと
深い教養があり、売れっ子で活躍していた。夫は広告会社を経営し、
正にセレブそのものであった。
小島透(岡田准一)は大学生、ナイーブな感覚の持ち主、
作家の母(余貴美子)と瀟洒なマンションに暮らしていた。
母の友達でもある詩史といつしか恋の関係に落ちていた、
詩史41才、透21才、その年の差は何と!20才であった。
二人のデートは洒落たフレンチレストラン、行きつけのバーで
ウオッカを楽しむ、音楽コンサートを共に聴き、詩史から芸術や文化の
手ほどきを受ける。彼女の教養には驚かされるのだ。
詩史の仕事は忙しい、透はいつも詩史の電話を待っている立場だ。
待つ間、詩史の好きな音楽を聴き、詩史の奨める本を読む毎日だった。
「なぜ、男と女が惹かれ合うの?たぶん空気で惹かれ合うのヨ」
今最も魅惑的な女優、黒木瞳さんが言うともうメロメロですネ
しかしこの二人はあまりに洗練され、セレブで無菌的カップル、
何か私と無縁の世界に思えた。この映画このまま続くのか?と
思いきや!何ともう一つの若者と年増のカップルの話が同時進行
していたのだ。
大原耕ニ21才(松本潤)と川野喜美子35才(寺島しのぶ)の関係、
これも同じく大学生と人妻である、この二人は上のカップルとは
異なりかなり濃厚である。
耕二は同年の恋人がいるのに、人妻とも付き合っているのだ。
喜美子は感情の起伏が激しく、会う度にぶつかり喧嘩が絶えないが
女の無邪気さに惹かれ、なによりも激しいS@Xの虜になった感がある。
このカップルは主役カップルを食っちゃうほど面白いですワ。
さて話は最初にもどして
何ゆえ若者が年増の女性に走るのか?この映画から判ったのは・・
1)美しい大人の女性から、いろいろ導きを受けることは至福だ。
2)年増の女性は無邪気で魅力的である。そして性の達人である。
今年初めて観た劇場映画でありました。劇場の中は中年から若い
人まで女性ばかり、むんむんした中で、肩身の狭い思いをしながら
観た次第です。「よし!ことしも頑張るゾ」
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。