2011年2月8日 連合赤軍事件の指導者、永田洋子死刑囚(65)が
脳腫瘍で死亡した。我々の世代では(ナガタ・ヨウコ)忘れ得ない名前だ
あの世で、殺した多くの同士に会わねばならないでしょうね。
というわけで2002見た映画「突入せよ あさま山荘事件」に一言
大学紛争激しき60年代「左翼でなければインテリでない」という
風潮がありました。
しかし'70年の「よど号ハイジャック事件」'72年の「連合赤軍集団
リンチ事件」「あさま山荘事件」「テルアビブ乱射事件」で血生臭い
事件が続き、世の支持を失い、左翼革命思想は消滅したのです。
「突入せよ!あさま山荘事件」は赤軍の思想性は全く表現しておらず、事件
現場のドキュメント的映画で、原作は「あさま山荘事件」を現場指揮した
警察庁の幹部(佐々淳行)さん。その後、危機管理の第一人者として有名。
「光の雨」‘01(立松和平原作、高橋伴明監督)を見れば、あさま山荘まで
の連合赤軍の話なので、この映画とあわせて観ると実体が判ります。
映画がはじまると、英語のサブタイトルが付いていることに気が付いた
「The choice of Hercules」これは七難八苦に敢えて臨む、ヘラクレスの
心境という事だ。さらに、配役・スタッフのクレジットにも英語が付して
ある。はは~この映画は多分外国にも配給するつもりかしら?と推測した。
しかし見終わった後、つくづく、外国での上映は止めた方がいいと
思った。多分、外人にはとても理解してもらえないだろう。
テロリスト達がライフルと爆弾を持ち、人質をとっている情況でも
警官隊は銃器使用を許可され無いのだ。只只、盾で弾を避けながら、
ジリジリ前進するのみである。これでは米国のSWATに笑われちゃうヨ
また日本の官僚システムの縄張り争いは異常だ、なにしろ突入し
ライフルの弾が飛んで来ている中で、警視庁と県警の指揮権争いを
している有様だ。その間に警官隊もバタバタ撃たれていく。
当時の被害者の方には誠に気の毒だが、もう警察内部のやりとりや
行動はコッケイな喜劇である。ハリウッドの様なアクション映画に
することを避け、危機が起こった時の日本人のまぬけさを表現した。
原作はこれほど内部矛盾を書いてないが、原田監督は佐々さんから
内輪の話を聞いて、日本人のおかしさをメインテーマにしたのだろう。
これはある意味で見事な取り上げ方だと思いました。
事件から30年経った今、当時の幹部は引退したり、それなりの地位を
得たので映画化できたのだろう。まだ現役の時では面子に拘わりますものネ
しかし日本の官僚組織は30年経っても、あまり変ってない。
「踊る大走査線」や(佐々木譲)の警察小説を見る限り、相かわらず
縄張り意識、縦割行政、面子重視、責任回避 危機意識が薄い。
検察証拠改ざん事件、尖閣列島船舶事件、を見ると全て後手・後手に
廻っている様に思えますが、いかがでしょうか?
コメント
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