このところ暗い映画、後味悪いミステリー映画のコメントを書いてきたが、
ミステリー小説の中で「イヤミス」というジャンルがある。意味は読んだ後で
嫌な気分になるミステリーの事、つまり後味の悪いイヤなミステリーである。
その「イヤミスの女王」と呼ばれているのが(湊なかえ)であります。
彼女の2008年のデビユー作にして最高傑作「告白」について一言。
昨今の世相として、暗く、気が滅入る事件が以下多々発生している。
2014年佐世保市で高校1年の女生徒が「人を殺してみたい」という
動機で同級生の女子を殺し解剖までしたオゾマシイ事件があった。
この映画も「人を殺して」注目や話題になりたいというものだ。
日本の刑法に「少年法」があるが、もし未成年、この映画の如く14才
以下の中学生が人を殺しても、名前も顔も公開されず、罰せられず、
「矯正教育」後社会復帰できる、この制度を知って犯行する少年たち
もいる。
学校の中で「イジメ」が蔓延している。2017年福島原発事故で横浜
自主避難していた子供が学校でいじめを受けていた。その他理由は
様々であるが、正に学校はイジメの無法地帯と言える。
「叱るつもりだった」と子供や幼児を叩き、さらに投げ飛ばすなど
自分の子や連れ子に対する虐待は後を絶たない。死亡することも
ある。また虐待を受けた子の心には大きな傷が残ることがあるが、
この映画の殺人少年も心の傷によるものと推定される。
1981年にエイズが発生して世界中が恐れ大騒ぎになった。今殆ど
話題にならなくなったが、世界中で4000万人のHIV感染者が
いて、毎日15,000人が新たに感染しているらしい。
どうです嫌な事例ばかりですが、これらを全て取り入れた小説
「告白」が2010も映画化されたもの、見たあと嫌な気分「イヤミス」
にならない訳がない。
中学校教師(松たかこ)の幼い一人娘が、担任クラスの二人の
生徒に殺された。プールに間違って落ちた事故とされたが、教師は
真実を知った。二人の殺人動機は理解できぬほどの幼稚なものだ。
教師はこの二人を殺人罪で訴えても、堪えない性格であること
また少年法で保護されるだけと考え、訴えず復讐を決意した。
教師はクラス全員を前に「告白」をした。娘が殺された顛末とその
犯人の生徒の名前を告げ、その二人が飲んだ牛乳にエイズ患者の
血液を混ぜたことを発表した後、この授業を最後に退職していった。
一人は学校に来なくなり家に引き籠り、凶暴になり始めている。
もう一人は気にもとめずノウノウと登校している。
しかし他の生徒達からイジメを受ける羽目になった。
退職した教師は姿を現すことはなかったが、裏ではじりじりと二人
を追い詰めていたのだ。暗く嫌だがどんどん引き込まれる すごい!
さて結末は? これは小説かDVDでどうぞ。
監督は「下妻物語」の中島哲也氏
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