本日2001・09・11の米国同時テロから丁度10年である。
というわけでその後2003年3月、米軍が侵攻開始した「イラク戦争」の
戦場をテーマにした「ハート・ロッカー」(2010)に一言
プロレスでもリング外の場外乱闘の方が面白いが、映画の世界でも
映画そのものより場外乱闘や舞台裏の方が面白い事がある。
2010年、映画の祭典第82回「アカデミー賞」競争がそうであった。
制作費に3億ドルを掛けた大作で、結果として世界の映画興行歴代1位
となる26億4000万ドルを稼ぎ出し歴史的大成功を収め、最新の3D
映像で「映画の新時代」を作り出した名匠(ジェームス・キャメロン)の
製作・脚本・監督作品「アバター」に対して、
1100万ドルという低予算、女性監督(キャスリン・ビグロー)作品の
「ハート・ロッカー」がノミネートされたのだ。
内容は2004年のイラク戦争の戦場、その爆発物処理班の活動を
ドキュメンタリー・タッチで画いた話題の作品であった。
正に「横綱」対「前頭」くらいの闘いであったが、(キャスリン・ビグロー)
はナナ何と! (ジェームス・キャメロン)の元妻であったのだ。
元妻 対 映画巨匠の闘いとなると話題沸騰であり、映画そっちのけの
面白さがある。キャスリン・ビグローの映画作品は「ブルースチール」
「ハートブルー」’91「K-19」’02とハードボイルドな男・男映画を
作る稀有な女性監督である。
一方でキャメロン監督はヒットメーカー監督の第一人者、彼の女の好みは
5回の結婚相手と作品から見て、どうも強い女(筋肉質タイプ)と思われる。
ビグロー監督も正に大柄の男まさり、次の女房はあのターミネーターの筋肉
ヒロイン(リンダ・ハミルトン)、今の女房(スージー・エイミス)も全く
女々しくなく、何か筋っぽい感じ。
映画の主役も脇役も皆強い女ばかりだ。「ターミネーター」のサラ・コーナー、
「エイリアン2」のリプリーとヴァスクェス、「トゥルーライズ」の妻、
「アバター」の女性パイロットと好みに一貫性がある。
そしてアカデミー賞の結果は元女房のキャスリン・ビグローが勝利した。
作品賞、監督賞、脚本賞と圧勝であったのだ。開催場内はヤンヤの喝采で
あったと記憶する。やはり判官贔屓とか、女性優位とか、キャメロンの
女癖の悪さとか、世間の受けとか、種々配慮して決定したと推察する。
J・キャメロンも潔く、元女房の快挙に対してスタンディングオベーション
で祝っておりました。 出来る男は違うね!
さて映画の方であるが、ニュースの如くリアリティーと臨場感みなぎる映像で
あった。主役のジェームス二等軍曹(ジェレミー・レナー)が危険を恐れず
爆弾処理をしていく、それは英雄行為というより危険中毒の域であった。
最後の言葉 「正に戦争は麻薬の如く」なのだ。
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