評判がイマイチでしたので、見なかった映画の1本が
「スパイダーマン3」でしたが、なんと機内上映で見ることになった。
なるほど評判どおりで、出来は「イマ・3」くらいだろう。
どうしちゃったの?サム・ライミ、やる気があるの?トビー・マグワイアー
「衣食住足りて礼節を知る」という言葉があるが、映画の世界は金が貯まり
過ぎると、慢心堕落するのかネ?
サム・ライミといえばB級ホラーの傑作「死霊のはらわた」'84以来、
カルトのカリスマとなり、ハリウッド入りした。その後も「シンプル・プラン」
'98 などでライミ的な人間のダークサイドを表現してきた。
その彼がハリウッドメジャー作品「スパイダーマン」を手がけると聞き、
少々驚き、心配したものだが、彼らしい手法で見事にこの作品を料理して
来たのだ。つまり、Ⅰは学園恋愛もの、Ⅱは悩める小市民的スパイダーマン
を表現し、観客の共感と賞賛を受け大ヒットとなった。
Ⅲは、もう監督せず、又彼らしいマイナーDarkな作品に戻るのかと思ったが、
ついにⅢまで続投した。しかも今作は、新たな味付けも無く、意気込も感じ
無い、登場人物の悲喜こもごもは付足し程度、SFXとCGばかり派手な
作品であった。正に「柳の下にドジョウ3匹」儲け狙いだけの映画であった。
主役ドビー・マグワイアー、その丹精な顔と、繊細な演技力を持ち、
「カラー・オブ・ハート」'98 「サイダーハウス・ルール」'99で実力を付け
てきた。彼も貧しい出の役者であり、そこから来るクールさが演技の元と
思えるが、今やスパイダーマンによりメジャーな役者となり、さらに婚約者
を通じ財閥一族に入ったとも聞く。
今作はドビーに熱意が見られない、恋人メリー・ジェ~ンとの掛け合いも
よそよそしい、それからブラック・スパイダーマンとしてのピーターの
悪事ぶりは町をフラつく只のチンピラ風情で、笑ちゃいますヨ。
Ⅱではドック・オク(アルフレッド・モリーナ)の圧倒的悪党振りで、
盛り上がったが、Ⅲでは大勢出てくる悪役がどれもマイナー過ぎた、
手抜きは明らか。
というわけで「金持ち喧嘩せず」とう格言通り、名人、名優がどうでも良い
映画を作ってしまったのだろう。
今後とも瓦版諸兄の批評を聞いてから劇場に行くとしましょう
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