「出来ちゃった婚」真盛りの時代に、娘の親に結婚承諾を取り付けるべく
四苦八苦する「ミート・ザ・ペアレンツ」は本当は礼儀正しい映画なのだ。
何でもそうだが、正式に「筋を通そう」とすると、面倒なもの
しかし、長い目でみると、やはり大事なことなのですヨ
私の場合はどうしても父(ロバート・デ・ニーロ)の立場で見てしまう
自分が慈しみ育てたものを、どこの馬の骨とも知れぬ者に汚される事は
絶対許されぬ事なのだ。
観客は男(ベン・スティラー)の人となりを観ているので、父が頑固で
異常すぎると思われようが、初対面の父としては、娘の相手をまずは疑って
掛かるのは当然なのです。
しかもデニーロは根っから「マフィアのボス役者」であり
「ケイプ・ファイアー」’91や「ファン」’96で見せた狂気が強烈だったので、
彼の薄笑いにはゾッとするものがある。これがコメディーでありながら
ミステリーの恐さを兼ね備え、面白い映画にしているのだ。
それから何と言ってもB・スティラーが旨い、皆に歓迎されてない立場を
旨く表現し、何とか改善しようとすればするほど裏目に出る間抜けさが
何とも言えぬのだ。
私はフト気がついたのだが彼の顔を良く見ると「ジョーズ」に見えてきた
思惑がはずれた時のあの三白眼!似てませんか?
いづれにせよ、古今東西、この手の映画の結末は判っているのです。
「花嫁のパパ」の如く許すしかないのです。結局、娘の涙に耐えられる父は
いないのですから。あ!これネタバレかな
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