2003 年の8月に鑑賞
「鳥の目モード」で見れます。
ひどい雨と横風に襲われ、あわてて繁華街のビルに逃げ込んだ。
そういえば!この地下に映画館があったはず、
このところ郊外複合シネマックスに客をとられ、悲哀を感じる劇場だ。
演題は「WATARIDORI 渡り鳥」でした。本国仏蘭西では大ヒット映画。
原題はフランス語だが、ローマ字とはいえ邦題にしてくれたのが嬉しい。
おどろいた!只只渡り鳥を追っ掛けるだけ、ストーリーもなければ、
ナレーションもわずか、鳥の羽ばたきと音楽のみ、単純!
しかし、ひたすら鳥を追う、否!鳥と共に飛ぶといったほうが相応しい
なにしろ、鳥さんが汗だくで羽ばたくのを横目で見られるのだから。
海原、山脈、ドイツ古城、万里の長城、砂漠、そしてアラスカの氷河、
北極,南極、すばらしい大自然を「鳥の目モード」で見られるのです。
癒しのためのフィルムの如く、うつらうつら夢心地の内に終わった。
渡り鳥は遠く離れた繁殖地と越冬地を定期便の様に往復するのです。
例えば夏アラスカで繁殖した鳥が、冬は越冬のために南米に渡る。
そして翌春アラスカへ戻るのです。その距離は数千キロにも及ぶ。
鳥はどうして「自分の生まれ故郷」に戻り、繁殖するの?これはDNA
の成せる業。では地図も見ず、GPSもないのに、どうやって目的地に
行けるのだろう?早速、本を調べてみた。
1)地球自転による地磁気感知説がある。映画「The コア」はこの説
を採用し、磁場異変が起こると鳩が方向を失い地面に激突していた。
2)太陽コンパス説もある、これは太陽の高さと方向と見て、真南を
感知しながら飛ぶ説、夜は昼の記憶によるらしい。
3)あと回りの景色を記憶していて、最短距離を行くらしい。
4)先輩鳥、道案内説もあるが、初めての鳥も行くのであてはまらない。
鳥だけでなく「サーモン」も「うなぎ」も繁殖のために長い、長い旅を
する。厳しく命がけの旅だ。しかも彼らは生殖の役目を終えると死ん
でしまう。正に「生きもの」にとり、種族保存の神聖な行為なのだ。
反省し考え込んだ。旅もせず、大自然の試練も受けず、快楽だけを
選択しまくる人間に天罰が当たらないのだろうか?
3
年間掛け、世界20カ国で100種類の鳥を追っ掛けた驚異のドキュメント、超軽量航空機を駆使し、鳥に混じって飛びながら撮影したらしい。
画期的な映像である。これは多分、学術的にも大変貴重な映画と思う。
コメント
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