2011年3月11日14時46分、日本の太平洋三陸沖を
震源としてマグニチュード9.0の大震災が発生、そして波高
10m以上の大津波が襲い、東北地方太平洋沿岸部に壊滅的
な被害をもたらした。さらに福島原発が破壊され炉心溶融が
起こり大量の放射能汚染が発生している、それを現在に至る
も制御出来ないでいる。死者行方不明者あわせ2万4000
名、十数万人という膨大な被災者が発生し、正に国土が破損
されたのだ。
大地震発生とその被害の大きさを聞いたとき、私はあぁ~
とうとう来るべきものが来たのかと思った。1973年の
映画「日本沈没」を見て以来思っていた事である。
1973年小松左京の書き下ろしSF小説「日本沈没」が
大ベストセラーとなった。特撮が得意な東宝が早々映画化
した。当時は1970年の大阪万国博覧会、1973年、
インフレと狂乱物価の時、日本の高度成長がピークを迎え、
高昇気分の日本人に警鐘を鳴らす映画でもあった。
映画の中とはいえ、政府に日本が沈没しつつあることを説明
する地球物理学者はほんものの東大教授(竹内均)さんです。
なんせ私は竹内先生の書いた「やさしい地学」で受験勉強
した関係で尊敬しておりましたし、先生が創刊された科学
誌「ニュートン」も愛読いたしました。
竹内教授が首相や政府要人に説明する
地球はゆでたまごの様なものです、たまごの殻は地表、柔らか
な白味がマントルで、ゆっくりと対流している、東北日本の東
の海中で日本を載せている大陸プレートと太平洋プレートが
衝突しており、重い太平洋プレートが軽い大陸プレートの下に
沈み込む。そこは深い深い日本海溝であるが、大陸プレートの
上に乗っている日本列島の方も少しづつ沈み込まれていると
いうものだ。映画では地殻変動により沈み込みが加速された
ため日本列島は一挙に沈没して行く。
当時、別のテレビ番組で竹内教授は日本沈没の「プレート理論」
は真実で数万年後には日本は沈むでしょうという発言を聞いて
以来、何が起こるかわからぬ地球ゆえ、意外に早く私が生きて
いる内に起こるのではと思っていた次第。
小松左京の原作では科学としてのプレート理論と社会学としての
もう一つの大きなテーマD計画(日本人の血と日本文化を世界に
残す)が進められていた。首相と政界のフィクサー(島田正吾)
が様々な策定しシュミレーションしており興味深い。
脚本は「七人の侍」の(橋本忍)、撮影は「剣岳」の(木村大作)
ですもの、しっかりしており、2006年日本沈没より骨太である。
また男女の世相も70年代は熱い!主役の藤岡弘とヒロインいしだ
あゆみは会って早々男女の関係になるが、2006年版は地球が滅びる
直前なのにスマップの草薙剛は柴崎コウにとうとうなにもしない、
正に草食系の男を演じた。
いずれにしても1973年の首相(丹波哲郎)も2006年の危機管理
担当大臣(大地真央)もリーダーシップを発揮し国難にあたったが、
今般2011年の大震災では時の首相のリーダーシップは旨くない、
さらに党内政敵や野党との権力闘争は国民の失望と海外の失笑を
受けている。このままでは領土は残っても「国家沈没」してしまい
ますゾ! 情けない・・・・
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