ジャーナリスト飯干晃一氏のノンフィクション的原作で、音楽は黛敏郎
トランペットの響きが印象的でした。中島貞夫監督作品で実話と小説の
ぎりぎりの線で(広域暴力団「山@組」の全国制覇)を画いた作品なのです。
関西で1万人の組員を持つ中島組組長(佐分利信)は全国制覇の野心を
持って勢力拡大を図っていた。昭和40年から高度成長にはいり
ヤクザ社会も企業と結び経済的利益の獲得に奔走した。一方企業も
汚い仕事にはヤクザを使うメリットもあり相互利用の関係にあった。
経済を目指せば日本の中心関東に進出するのは当然となり、その結果は
関東暴力団「関東同志会」理事長(三船敏郎)との全面戦争は必至で
あった。三船は言う「日本に二人の首領(ドン)はいらぬ」と
3部作の中で関西ヤクザは鶴田浩二、松方弘樹、菅原文太の任侠派
関東ヤクザは渡辺文雄、佐藤慶、小池朝雄 インテリヤクザ派と
個性が異なる。彼らの策略対策略、暴力対暴力は見ものだ。
この東西ヤクザの争いを利用して自らの権力を図る政財界の黒幕
(片岡千恵蔵)の存在感がすごい。
そして利権に群がる政治家達、保守党の幹事長(多分、田@@栄)や
官房長官(黒@泰@)らしき人物が要所に登場する。
当時実際にあった船会社株の買占め(三@汽船)や東南アジア某国の
油田開発にからんで、大統領(デ@夫人)らしきエピソードが出てくる。
戦後保守党内の党人派と官僚派の政治権力闘争も背景にあり,誠に興味
深い作品だ。
元々東映のこの路線は金子信雄、西村晃、内田朝雄、安部徹など
名悪役がおり、「仁義なき戦い」はじめ実在感がある作品が多く、
私は没頭していました。最近はこんな骨太作品少ないですネ
この頃の主役級や名悪役者はもう亡くなられたからでしょうか 合掌
私の好きなこの手の邦画は以下5作
1)日本の首領3部作
2)仁義なき戦い5部作
3)東宝の8月15日終戦もの 軍閥、沖縄決戦、日本の一番長い日、等
4)金環蝕
5)復活の日
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