どうも判らぬ?
米国での原題は「Trespass」である、日本語に訳すると「不法侵入」
となり映画の内容とぴったり。これを邦題の英語題に替えて上映したの
が「ブレイクアウト」=「Break-Out」2012である。これを日本語にする
と「脱獄」「相場の急上昇」だが、この意味では映画の内容と異なる。
どうも判らぬ?
映画のヒロインに美貌と演技力を兼ね備えたあのアカデミー主演女優
(ニコール・キッドマン)を要して作った映画であるが、彼女の良い
ところがさっぱり出てない、何故こんな役を引き受けたのか判らない?
主役は(ニコラス・ケイジ)、彼もアカデミー主演賞を受賞した役者
であるが、彼の場合最近のアクションものはあまり頂けないB級ばかり、
その延長で、とうとうこんな役を演じる羽目になるとは残念だ。
モダンな豪邸に高級車で帰宅したカイル・ミラー(ニコラス・ケイジ)
は宝石商である。相当羽振りがよさそうだ、携帯電話で常連客に高価
なダイアモンドを売り込んでいる。
家には妻サラ(ニコール・キッドマン)が待っていた、美しく聡明な
女性だ。一人娘エイブリーもいるが、親の言う事をきかず男の子と
遊びたい年頃である。両親に反抗的でややパンク掛かっている。
この豪邸に、4人組の強盗が難なくtrespass=侵入してきたのだ。
家のセキュリティー技術者が強盗の一人であり、家の構造ばかりでなく、
家庭内の事情を知り尽くしていた。
この男は確信していた、夫は大金とダイアモンドを金庫に隠し持っている、、
妻は夫に冷遇され、寂しくてこの自分に惚れていて救いを求めていると。
妻と娘を毒薬注射で薬殺すると脅し、金庫を開けさせようとする。しかし
夫は徹底的に拒否し続ける、殴られても、足を撃ちぬかれても、家族を殺
すと脅されてもギリギリ拒否続ける、妻も金庫を開けてと泣いて懇願する。
強盗も脅したり、母の肝臓移植に金がいると泣いて懇願したり、挙句に
仲間割れが起こる、夫の方も妻の浮気をなじったり、妻も強盗に色目を
つかったり、正にハチャメチャ混乱の犯行現場である。
どうも判らぬ?
この辺のやりとりが、恐怖の見せ場なのだろうが、全て間が抜けており、
アホがアホな情報により、アホな家に侵入しアホをしているという映画。
果たして金庫は開くのでありましょうか? DVDで確認して下さい。
どうも判らぬ?
監督は(ジョエル・シューマカー)さん、この人は作品にムラがあり過
ぎる。昔の「依頼人」'94や「オペラ座の怪人」2004の秀作を作る一方で
「バットマン・フォーエバー」'95や「バットマン・Mr.フリーズの逆襲」
'97や今作などのメチャクチャな作品もつくる。
ある意味、良い映画も、酷い映画も見たら書くという私の主義に合った
作品でした。
コメント
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