(ローワン・アトキンソン)英国のコメディアン、セリフが少なく
顔面変形や奇妙な身体動作で笑わせる。まるで無声映画時代の
コメディアン、バスターキートンやチャップリンの再来と言う人も多い。
彼の代表作は「Mr.ビーン」 その第二作「Mr.ビーン カンヌで大迷惑」
(2007)に一言
ビーンは何をするにも一の行動に熱中するあまり、他を事や全体を
見失う性質である。彼の映画はこの性向が裏目に出て窮地に陥る。
この面白さと最後には何とか旨く切り抜ける面白さがテーマである。
というよりもMr.ビーン彼の災難に巻き込まれた被害者が面白いのだ。
昔は彼の奇妙な身体動作と、もたらす被害を面白がって見ていたが、
彼の行動が、今はまるで〇〇症候群という病気の症状と同じと言われ、
少々覚めた目で見ざるを得ない。それでも面白い映画デスワ。
ビーンは教会クジ引きで、南フランスのリビエラ海岸 カンヌへの旅行券と
SONYの小型ビデオカメラを引き当てた。ロンドンからパリへ向かった。
今回の映画は正にこのハンディーカメラの撮影に熱中するあまりの災い
がテーマである。廻りのことが目に入らない、本来の目的を忘れてしまう。
早々パリで行先が違うタクシーに乗ってしまう。わざわざパリまで磁石と
地図を利用して歩いて戻ろうとする。彼の頭は磁石の針の通り真っ直ぐ
歩くので、行く所々で交通マヒを起こす、彼の恒例ギャク、交通マヒだ。
フランス料理店でのランチ、初めて食べた生牡蠣が全くダメ、よりに寄って
隣の席のご婦人のハンドバックの中に捨ててしまう。店を逃げ出すと時に
婦人の大きな悲鳴声を聞いた。彼の恒例ギャク、レストラン騒ぎである。
ある旅行者に頼んで、リオン行きの列車に乗り込むシーンを撮って
もらう、何回も取り直しをさせた揚句、当の旅行者は乗遅れてしまった。
寸での処で電車に乗れたビーンは何食わぬ顔だが、旅行者の息子が
一人列車に取り残されていたのを見て、さすがに責任を感じた。
この少年とリヨンへ二人旅が始まった。サイフもパスポートも忘れ無一文に
なったビーン、マーケットの路上でオペラのCDに合わせてマリアとキリストの
ピエタを演じ金を稼いだ。彼の恒例ギャクであるダンスは見ものである。
途中映画のロケ隊に遭遇する、撮影の邪魔はするし、勝手に電気配線
をいじくったために、大爆発を起こし、撮影を台無しにしてしまう。
彼の恒例ギャク災難失火である。
そのヒロイン(エマ・ドゥ・コーヌ)の車に乗せてもらい少年と共にカンヌに
到着する。正にカンヌ映画祭特有の、監督(ウイリアム・デフォー)の
自己中的難解映画上映の真っ最中、観客は退屈の極み、ビーンは
自分のビデオフィルムと入れ替えた。ハチャメチャな映画となるが、それが
バカ受けして、会場では大きな大拍手を受けてしまう、彼Mr.ビーン映画
の真骨頂、最後には旨い事になってしまうのです。
会場の外はリビエラの海岸、彼は思う存分に青い海をビデオ撮影して
旅の目的を達成した。正にHappyーEndであった。
もはやローワン・アトキンソンの顔面変形と奇妙な動作だけでは限界
かもしれない、よって「ジョニー・イングリッシュ」の様な007パロディーか
TVの「メグレ警視」というシリアスな演技派に路線変更してきている。
監督はスティーヴ・ベンデラック
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