第Ⅱ章「カスピアン王子と角笛」が大人気、
そこで、先ずは第一章「ライオンと魔女」から一言
映像技術の大革新のおかげ、
これがなかりせば、絶対に映画化されなかったであろうと思われる
そんな映画は、この「ナルニア国物語」である。
英国のファンタジーは壮大で奥深く面白い、昔から広く読まれ、世界中に
熱烈なファンがいる、正に待望の映画化といったところである。
そもそも映画技術の大革新は(ジョージ・ルーカス)監督のSFファンタジー
「スター・ウォーズ」'77によって大ブレイクした。そのころはまだ「特撮」と
言っていた。爾後S・Wの続編やCG,FSXを駆使したSFものが連発した。
SFなら登場するのは宇宙人やロボットであり、多少リアルでなくても許された。
「ジュマンジ」'95から、実物そのもののリアルな動物CGが登場し、いずれは
「ナルニア国」や「黄金の羅針盤=ライラの冒険」の登場を予感させた。
そろそろS・Fもののネタもきれ、観客がもう少し奥深いものを求める様に
なった。そこで登場したのが世界的な名作、英国ファンタジーの世界である。
大ブレイク世界的ヒットとなったのが「指輪物語=ロードoftheリングス」2001、
2002,2003の三部作、その大スケールと深いストーリーに驚愕させられたのだ。
この原作者は言わずと知れた英国オックスフォード大学の言語学者(J・R・R・
トルーキン)である。この指輪物語を発表したころ、同じ大学の教鞭仲間として、
交流していのが(C・S・ルイス)、つまり「ナルニア国物語」の作者である。
オックスフォード大学の近くのバー「イーグル&チャイルド」に若き文学者達が
たむろしパイプタバコとビールでストーリーを語りあっていたのだ。
既に指輪物語で名をなしていたトルーキンはCSルイスの「ナルニア」の原稿を
批判し、発表に反対した。ライバル意識なのだろうか?面白いエピソードである。
C・S・ルイスも小説家として既に名を知られていた、第2次世界大戦中、
ラジヲ放送で子供達に逸話を話したり、自宅を子供の疎開場所に提供していた。
その時、疎開の女の子が衣装タンスの中で不思議な世界を見たという話を聞き、
このナルニナ国の話を思いついたといわれる。もちろん彼の幼きころ屋根裏で
兄と空想にふけったことや第一次世界大戦の従軍経験などがベースにある。
さてそろそろ、「ナルニア国物語」第一章「ライオンと魔女」について、
第二次世界大戦、ベベンシー一家の4人の子供がロンドンから田舎に疎開すること
からはじまる。疎開先はカーク教授(ジム・ブロードベント)の家、先に述べた
創作のヒントからすると、このカーク教授こそC・Sルイス自身ということだろう。
館の一部屋に置かれていた大きな衣装ダンスの中に入ると、そこから不思議な国
ナルニアに繋がっていた。そこは白い魔女に支配され、100年の間雪と氷に閉ざさ
れていた。
ナルニア国の住人は 言葉を話すケモノたち(今現存する全ての動物)や伝説の
生き物(半神半獣、半人半馬のケンタウルス、怪物ミノタウロス、人魚)であった。
これはCSルイスのキリスト教的素養と神話の教養から出たものと思われる。
(もっとも、トルーキンはこれを寓話的と批判したらしいが・・・)
ナルニアには古くからの伝説があった「2人のアダムの息子と2人のイブの娘が
この魔女の支配から救ってくれる」というものであった、ケモノ住民にとりヒト族
4兄弟は正に希望の星であった。何も知らない、軟弱な4人だったが、ナルニア世界
の創造主アスラン(外見は偉大なライオン)の力により逞しく成長し、住人と共に
魔女と闘うことを決心した。 決戦は大迫力です、是非DVDでご覧ください。
白い魔女(ティルダ・ウイントン)はスコットランド人でケンブリッジ大卒の才媛、
「コンスタンティン」'05で大天使の姿を見て、今作で魔女となれば、とても普通の
人間とは思えません。しかし「フィクサー」’07で本年度堂々のアカデミー賞助演
女優賞を取ってしまった、最近は美より知が優先しますネ。
アスランの声はあのリーアム・ニーソンさん、シンドラーズリストの時、思ったが
真正面から見ると彼の顔はライオンに見える、そういう意味でも適役(声)と思う。
前に英国BBCのテレビ版でナルニア国物語を見たことがあるが、ケモノさん達は
全てぬいぐるとハリボテだった、テレビではよくても、これでは映画にはならぬと
つくづく思いました。
映画技術の革新CGの進化により、名作ファンタジーが次々映画化されることは
誠にありがたい。
まずはナルニア国物語第Ⅰ章 「ライオンと魔女」について述べました、
そして、引き続き第Ⅱ章「カスピアン王子と角笛」については
近々お話したいです。
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