医学用語の 精神科医、自殺願望、抗うつ剤、サイドエフェクト=副作用。
法律用語の 心神喪失、責任能力、薬害訴訟、一事不再理、措置入院、
司法取引、
経済用語の インサイダー取引、株価操作、空売り。
これら専門用語が次々と出てくる映画、「サイド・エフェクト」に一言。
映画の宣伝コピーは意味ありげな・・<事件に潜む、もう一つの副作用>
監督は(スティーブン・ソダーバーグ)ですもの、面白くない訳がない。
彼のテーマは常に社会的、現代的、知的、であり、「ドン伝返し」がある。
彼の作品「エリン・ブロコビッチ」2000,「トラフィック」2000,[シリアナ」2005,
「コンテイジョン」2011,どれをとっても面白さ抜群!私にとってベスト3に
入る映画監督だ。
一流証券会社に務めるマーテイン・テイラーと結婚し、セレブな生活
を手に入れたエミリー(ルーニー・マーラ)は幸せの絶頂であった。
しかし誕生パーティーの最中、目の前で夫は逮捕された。罪状は
「インサイダー取引」である。
夫は投獄され、エミリーはセレブな生活から一転困窮生活に陥った。
それを機に彼女の精神状態がしだいに、おかしくなっていった。
夫が出所してきた、インサイダーは証券マンにとって死刑に値する罪、
ニューヨークのビジネス界で仕事は見つからない。夫が戻り、エミリーは
ますますおかしくなり、車をコンクリート壁に激突させ自殺未遂を図った。
緊急病院の「精神科医」バンクス博士(ジュード・ロウ)が彼女を
診ることになった。彼は精神安定のため「抗うつ・新薬」を処方した。
彼女はみるみる元気になったが、時々「夢遊病」の症状が出てきた。
ある日、彼女は夢遊状態で夫を包丁で何度も突刺し殺してしまった。
抗うつ新薬の「副作用」による夢遊なら、「心神喪失」ゆえ「責任能力」
が無い、バンクス医師の証言もありエミリーは晴れて無罪となった。
但し、しばらく病院で様子を見る、いわゆる「処置入院」となった。
しかし矛先はこの薬を処方した医師バンクスに移った。患者は不安がり
離れ、病院からは退職を迫られ、マスコミに追われ、さらエミリーに対して
の「セクハラ疑惑」まで掛けられる始末、バンクスは全くの窮地に陥った。
一方抗うつ剤の製薬会社の株は「暴落」した。バンクスは不審に思い、
エミリーを調べる内、前の精神科医(キャサリーン・セダ・ジョ~ンズ)と
組んだ計画的犯罪と気づいた。しかしもはや「一事不再理」ゆえ警察
から再調査は拒否された。
バンクスは自分の名誉を回復すべく、逆襲を始めた・・・・・
映画は時代を現すというが、正に蓋し!現代の世論や風潮を味方
にして、制度と法律の矛盾を利用したきわめて高度な完全犯罪の
はずであったが、「策士・策に敗れる」の結果は妥当と評価しますネ
まるで司法試験の問答集の様な映画、詳細はDVDでどうぞ。
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