近代中国は世界覇権の野心が見え見えで好ましくないが
古代や戦国・帝政時代は歴史も文化も面白い、秦の始皇帝、
項羽と劉邦、そして何といっても三国時代が一番であろう。
という訳で今封切り中の映画「新解釈 三國志」に一言。
学生時代に吉川英二の三国志全8巻をむさぼり読んだものだ。
映像ではNHKの人形劇三国志、川本喜八郎作の芸術的人形と
文楽張りの動きで優れたテレビドラマが作られた。
映画は何といっても2008年、製作費100億を掛け
中国、台湾、香港、日本の共作で1000人のエキストラを動員
して大スペクタクル、「レッドクリフ」Ⅰ・Ⅱが製作された。
これは究極の三国志映画ゆえ、この後映画化は無いと思っていた。
その意味で今作「新解釈 三国志」は喜劇にすればどうなるの?
別物ですという代物。昔見た我が子の中学か高校時代の文化祭で、
劇のノリと落ちに学生たちはやんやの喝采と大笑いだが、親の
私は何が面白いかさっぱり判らなかったことを思い出した。
歴史書や本で言われてきた君主たちの人物キャラクターを更に
ディフォルメし強調した。人情家だが酒にルーズな蜀の劉備を
大泉洋、機知・権謀に富むエリートだが女好きの魏の曹操を
小栗旬、心優しいが優柔不断な呉の孫権を岡田健史、そして
希代の知略軍略家だが長く世に出なかった臥龍(がりゅう)
諸葛孔明にムロツヨシを選んだ。
福田雄一監督は大泉洋に「すげぇぼやき倒す劉備玄徳って、
おもしろくないですか?」と大泉ありきで企画したという。
そもそも論となるが福田監督は、発行部数5500万部の人気
アニメ「銀魂(ぎんたま)」の実写版を小栗旬、ムロキヨシ、
佐藤二朗、山田孝之(声のみ)、橋本環奈で撮っており、もう
確固たる福田組を持っている監督で、役者とツーカーのゆえ
多分キャラクターのみ伝えて、皆プロなんだから、それぞれ面白く
やって頂戴という感じでした。若者に受け、興行は大成功の由。
筋金入りの「三国志」研究家やオタクフアンから批判が出るやも
しれぬと、あくまでも「新解釈」だからと免責を打っていました。
主題歌は作詞作曲歌 福山雅治さんの「革命」
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