12月15日といえば「忠臣蔵 討ち入りの日」、昔、この時期に
なると「シャボン玉ホリデー」で討ち入りギャクを見たものですが、
昨今は話題になりませんので私が「決算忠臣蔵」に一言。
武士社会を経済学から見た映画として「武士の家計簿」2010と
「武士の献立」2013があった。これらは歴史家(磯田道史)が
発見した加賀藩の古文から小説、脚本映画化したものである。
さて本作「決算 忠臣蔵」は大石内蔵助が討ち入りを完遂する
までの費用を帳簿に記録していた史料「預置候金銀請払帳」が
箱根神社に所蔵されており、これを調べた東京大学(山本博文)
教授の著書「忠臣蔵の決算書」を映画化したものである。
忠臣蔵は(1701)年に赤穂義士が主君の仇討を成し
遂げた正に忠義、武士道の鏡である。よって江戸時代歌舞伎
から大人気演目であり、映画もオールスター顔見世興行として
私の子供時代には毎年の正月映画だった。
忠義話の忠臣蔵を始めて経済学から分析した作品として
(堺屋太一)の「峠の群像」1982NHK大河ドラマであった。
それまで悪役扱いの「大野九郎兵衛」(山内明)が好演し、
本当は有能な経済的家老であったことが判ったものだ。
さて本作であるが、この「金銀請払帳」に出納が詳細に記載
されており驚きであった。仇討の総額は9000万位掛かっ
た由。3両不足し、大石内蔵助が自前で補充したらしい。
映画では昔の貨幣価値を現在に置き換えている、基準は
かけそば1杯16文=480円 とすると 銭1文=30円
レートは金一両は12万円=4000文で換算しており
誠に興味深い映画になっている。
お家取り潰し=倒産処理、家来の退職金でお家の金は
使い果たした。これから仇討という大プロジエクトには相当な
金が無ければ成し遂げられない。この原資は浅野内匠頭
(阿部サダヲ)の奥方・瑶泉院(石原さとみ)の持参金で賄った。
しかし金が足りなくて、仇討人員のリストラをした結果47人
に絞られた。義士の生活費節減のため、で討ち入りを早めて
12月15日に決めたなど、なかなか説得力がある。
大石内蔵助(堤真一)、勘定方 矢頭長助(岡村隆史)
大高源五(濱田岳)、大石理玖(竹内結子)などなど
監督・脚本は中村義洋さん、「殿、利息でござる」(16)
「忍びの国」(17)
しかし吉良上野介の出ない始めての忠臣蔵でないかと思う。
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