my 「ヰタ・セクスアリス」 すすきのを舞台にした「ハードボイルド・コメディー」
「探偵はBarにいる3」について一言。
札幌のすすきのは「日本最大の歓楽街」といっても良いと思う。
東京の歓楽街は新宿・池袋・渋谷など多々散らばっているが「すすきの」は
一点に集中しているからである。
北海道開拓時に風紀上、町から離れ隔離された地、すすきの野原に
遊郭を集めたからである。その行政計開からか?「すすきの」の名づけ親は
初代北海道庁長官(岩村通俊)と言われている。
探偵「俺」(大泉洋)の相棒である高田(松田龍平)は北大農学部の
助手で校内の研究室や牛舎に住み込んでいる。
そこから探偵が根城にしているBar「ケラー・オオハタ」に顔を出すのだ。
高田の昼は北大、夜はすすきのは まるで私の学生時代と被っているゆえ、
私にとって、この映画は特に強い思い入れが強いのです。
またこの映画、頻繁にすすきののシンボル「ニッカウヰスキーのひげのキング」が
画面に出て来る、いやがおうに私の気持ちが高まって来る。
さて今作、高田の後輩の恋人女麗子が行方不明となった。
彼女を探してほしいという依頼を気楽に引き受けてしまった。しかし麗子
(前田敦子)は彼に内緒で風俗のアルバイトをしていたのだ。
探偵がその店を探ると、店の支配人マリ(北川景子)とオーナー北城
(リリー・フランキー)が浮上してきた。北城の正体は暴力団のボスであった。
マリは情婦である。麗子の行方不明には暴力団の覚せい剤密輸が絡んで
いたのだ。探偵は危険で厄介な暴力団事件に巻き込まれて行った。
この映画の定番「冬の酷い目にあうシーン」が名物であるが、今回は漁船の
船先に裸で縛られたまま、厳寒の海を走航する試練を受けた。
一般的に「3」の評判は上々である、しかし私はちょっと違うなと感じた。
この映画の面白さは探偵は常に「ハード・ボイルド」を目指し、スタイリッシュに
スコッチを呑み、たばこをふかし、黒電話で依頼を受け、且つ過激に行動
するものの・・・
人情が熱すぎて最後はハートウォーム・コメディになってしまうオチである。
よって表面的にスタイルやアクションはハードボイルドでなければならない。
今作はそのハード・ボイルドさが1,2に比べてかなり甘くなっていると思う。
そうか「1,2」の監督は橋本一で彼の作品は「臨場」2012や「相棒」2017
で正にハード派監督であったが、
今作「3」の監督は吉田照幸さんでNHKの「のど自慢」や「あまちゃん」
でファミリー・コメディ派である。
大泉洋は正に北海道のスターであり、北海道の誉であります。
しかし「探偵はBarにいる」を「釣りバカ日記」や「男はつらいよ」の風味に
してしまってはダメだと思いますヨ。
原作は北大中退の札幌在住作家 東直紀氏
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