2017年版新作オリエント急行殺人事件についてコメントしたからには
どうしても1974年版も書いておかねばという義務感に覆われて
しまった。という訳で オリエント急行殺人事件1974に一言。
オリエント・エキゾチックと汽車の走行という意味では2017年版は
SFXとCGをフルに使用して雰囲気満点であった。
1974年版はCGは無く実際に230G353号蒸気機関車を走らせました。
アガサ・クリスティのミステリー小説は単なる推理やトリック謎解きの
面白さだけではなく、全体に優雅で貴族趣味、登場人物も一角の
連中が登場する。このアガサの系譜はコロンボや古畑任三郎に引き
継がれた。
その意味では映画は優雅でリッチ、そしての登場人物は出来るだけ
大物スターでなければなりません。となると1974年版の方が遙か
に優れたオリエント急行だったと言わねばなりません。
何しろポワロは英国俳優の(アルバート・フィニー)彼は王位演劇
学校を卒業後舞台や映画で活躍、現在81才で現役大物役者
である。O・ペプバーンと共演した「いつも2人で」1967年は私の最も
好きな映画で、まだ時々DVDで見てますヨ。
殺される悪党ラチェットは(リチャード・ウイッドマーク)西部劇の悪役
として名を馳せ、私の少年時代に「長い船団」1963のバイキング役に
痺れた。TVでは「刑事マディガン」はハード・ボイルド役者の権化だ。
ハバード夫人は何と(ローレン・バコール)ですよ!正にハリウッド黄金
時代を代表する女優で、ハンフリーボガードの相手役が印象に残る。
そしてアーバスノット大佐にあの007の(ショーン・コネリー)ですよ、
丁度007から脱し、性格俳優に変貌し立派な軍人役を務めた。
秘書マックイーン役に(アンソニー・パーキンス)「サイコ」1960の
ノーマン・ベイツが強烈すぎました。サイコパスのイメージを決めた人。
メアリー・デバナム役に英国の女優(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)さん
アカデミー助演女優、80才で現役大女優でその存在感が凄い。
エレナ伯爵夫人に(ジャクリーン・ビセット)美人中の美人だった。
青年時代の私の憧れであった。「アメリカの夜」1973が印象に残る。
そして何といっても地味なオルソン宣教師役に何と!(イングリッド・
バーグマン)ですよ、あえて地味役を選び、これでアカデミー助演
女優賞を受賞 彼女3回も受賞した。「カサブランカ」が最高ですネ。
あと助演男優賞のジョン・フィールグットさんとマーティン・バルサムさん
などベテランを配した。どうです!すごい役者ばかりでしよう!
監督はシドニー・ルメットさん「一二人の怒れる男」1957,
「未知への飛行」1964他「セルピコ」「狼たちの午後」「評決」など
名作多々ですネ。名監督が12名の犯人に名優を揃え誠に
豪華絢爛な映画でありました
この映画を見て以来、私の人生の夢は「オリエント急行」で列車の
旅(イスタンブールから欧州まで)をすることに決まった。
まだ実現してませんがネ・・・
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