日本の歴史を変えた天下分け目の戦いは「関ケ原の戦い」です。
それを題材に書にしたのが、歴史小説の大家(司馬遼太郎)で
ある。読まれた本累計620万部という大ベストセラーになった。
今般この原作を堂々たる映画にしたのが(原田眞人)監督。
1600年9月15日石田三成を大将した西軍8万と徳川
家康を大将にした東軍7万が関ケ原で対峙した。後この布陣図を
みたドイツ帝国の陸軍参謀メッケルは、これなら「西軍の勝」といった
という。しかしご存知のとおり東軍の勝利に終わった。
それもたった一日、しかも僅か6時間で大戦は集結したのだ。
いったい何が起こったのか?何が勝敗を決したのか?その経緯は
まことに興味深い、それはやはり人間力の差であったといえる。
(岡田准一)がNHKの大河ドラマ「軍師 官兵衛」(2014)で見せ
た侍振りに、私は魅了され、彼がこの映画で主役(石田三成)を
演じるというので劇場に直行した次第である。
正に期待どうり、正に正義、理念を貫き通した悲劇の侍を演じた。
一方徳川家康は日本映画を代表する主役俳優(役所広司)
が、これまた老獪、したたかなタヌキ親父を見事に演じたのである。
徳川の勝利はしたたかな人たらしで本来西軍=豊臣側に付か
ねばならない重臣達を全て徳川方にたらし込んでしまったのだ。
特に戦国時代のサムライ達は命を掛ける存在ゆえ、損得勘定と
プライドに左右される。三成の理念と規律原理主義では純粋過
ぎて嫌われる、やはり甘言とぶら下がったニンジンの方にいくものだ。
正に泥臭い人間社会の縮図である。
最後まで三成を補佐する島左近(平岳大)の鬼気迫る演技は
正に亡父(平幹二郎)の遺伝子そのものである。
それから豊臣秀吉を演じた(滝藤賢二)さん!認知掛かった
秀吉、死に際の秀吉を見事に演じた。この人に異常者をやら
せたら右にでる人いませんワ
いずれにせよ、昨今の学園ラブコメもの、オカルトやアニメだらけの
日本映画の中で久々の大スケール、本格骨太映画が制作され
たのだ、場内は我々オジサンばかりだったが、若者にも見てほしい
ものだ。
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