私は「四姉妹もの」が好きだ。
古くは谷崎潤一郎の「細雪」1948、向田邦子の「阿修羅のごとく」
1979があったが、今般、是枝裕和(これえだ ひろかず)監督が
これぞ四姉妹もの「海街Diary うみまちダイアリー」2015を作った。
14年前愛人をつくり家族を捨てた父の死が知らされ、娘三人が
渋々葬儀に参列した。喪主は既に再・再婚した見知らぬ女である、
そこに13才の腹違いの妹「浅野すず」がいた。
喪主にとってすずは連れ子であり,夫が亡くなった今、厄介者である。
それを感じ取った三姉妹の長女、幸田幸(綾瀬はるか)は自分の
家に来ないかと、すずを誘った。四姉妹の生活がはじまる・・。
家は鎌倉の古い一軒家、母も12年前、さっさと再婚して家を出て
行った、姉妹三人で暮らしている。幸は看護師で性格は几帳面で
真面目、一家を支えているが、同じ病院の医師(堤真一 )と
不倫関係である。
次女佳乃(長澤まさみ)地元信金のOL、少々ルーズで
男好きゆえ男運が悪い。それにしても、まさみは足が長いですネ。
三女千佳(夏帆)はスポーツ店勤務で店長と付き合っている。
人が良いのんきもの。完全癒し系の性格。
四女になった浅野すずは転校してきた鎌倉の中学校
のサッカー部で大活躍、姉たちと仲良く暮らすも、自分は不倫の子で
あると常に負い目を感じている。
彼女、現在17才で今公開の映画「ちはやふる」で映画初主演と
今後の活躍が期待されている。
ストーリーはこれという大事件は無いが、四姉妹と母、大叔母、地元の
職場、友人が登場し、日々の出来事を悲喜こもごも淡々と映していく。
それは皆さんも日常体験している、静かな家族愛や人間愛であります。
是枝監督の映画を見て感じるのは・望遠レンズ、広角レンズを使用して
いるのか、まるでドキュメント映画を見ている様、役者も演技していると感じ
ない。「誰も知らない」2004、「そして父になる」2013も同じ風味であった。
過去の4姉妹もの「細雪」は当代一の女優勢揃いで華を競うのが
楽しみであったが、是枝四姉妹ものはむしろ華々しくない女優起用により、
ドキュメント的or 日常的な風味を出している。
原作は女性漫画家(吉田秋生 よしだあきみ)さんの漫画大賞受賞
作品「海街Diary」 、世の流れか?世界に誇る日本のコミック、当たれば
高収入と、小説家や脚本家よりも漫画家に優秀なストーリー・テイラーが
集まっていると思う。
よってTVや映画の原作は小説よりもコミックが多いのは当然と思います。
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