私が幼かった頃の東映の娯楽時代劇を思い出させる映画。
それは「超高速 ! 参勤交代」
時は徳川幕府8代将軍吉宗の時代、小藩・湯長谷
(ゆながや)藩(現在の福島県いわき市)に幕府から
無理難題を押し付けられた。
参勤交代を終え、やっと湯長谷に帰国したばかりの所に
幕府から命令が届いたのだ。5日のうちに再び参勤交代
せよというものであった。
まず物理的に不可能である通常8日は掛かる距離である。
それから資金的に参勤交代の行列には莫大な金が掛かる。
この貧乏藩にそんな金の余裕など無かった。
何故幕府は無理難題を押し付けるのか? それは幕府の
老中松平信祝(陣内孝則)の策略であった。湯長谷藩に
隠し金山が発見されたと聞き、この藩を潰して幕府直轄に
しようと図ったのだ。
藩主・内藤 政醇(佐々木蔵乃介)は藩を守るために、
江戸行きを決意した。家老(西村雅彦)は知恵を絞り、
山道でショートカットし、荷物を減らし、少人数に走りに走って
行けば間に合うと計算した。
途中のある2か所の監視所宿場の所だけは日雇いを集め
大名行列を装うという作戦である。
当時、参勤交代ではどの藩も、この日雇い行列が実際に
行われていたと知り、驚いた次第。
時間が無い、他藩の大名行列に道を譲らねばならなかった
時ふんどし一丁になり飛脚になりすまして走り抜けた。
当時のルールで産婆と飛脚のみ通り抜け御免であった。
いやぁ~面白い! チャンバラあり、武士道あり、忍者あり、
恋もあるで、 家臣一同の努力によってギリギリ上洛に間に
合った。 藩は守られ、意地悪な老中は罷免された。
岩城侍の意地を見せたのである。
映画は雑学の宝庫というが、参勤交代の目的は、江戸に
妻子を人質として置くこと、行列往来に莫大な経費を使わ
せ諸藩の軍備の増強を防ぐこと、そして街道での消費による
経済波及効果など、様々な効果を感心した次第。
脚本 土屋章宏は城戸賞を受賞、監督は本木克英、
38回日本アカデミー脚本・監督・主演男優賞を受賞しました。
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