日本人ほど温泉の好きな人種はいるまい。
世界有数の火山国ゆえ日本全国に温泉が湧き出ている。
日本人は本能的に経験的に、母なる地球の恩恵といえる地下鉱物から
滲み出る泉質が人間の体に効能があることを知っていた。 よって
古くから温泉湯治というゆっくり病気を治す習慣を持っいたのだ。
そもそも体を温めることは循環器や関節に良いことは自明である。
また日本人は世界に類の無い清潔好きな人種である。古くから
公衆浴場を持ち、清潔を保ち且つコミュニケーションの場としてきた。
ウォシュレットという世紀の発明もされ、殆どの家に常備されている
のは日本ならでの事である。
一方同じ火山国のイタリアも紀元前後のローマ時代から公衆浴場=
「ローマ風呂」が配置され、それが社会生活の重要な施設であった。
その日伊の温泉好きという共通点のみで成り立たせたのが、この映画
「テルマエ・ロマエ」(2012)である。いやはや私にとって此れほど
馬鹿バカしくナンセンスで、且つ面白い映画を近年観たことはない。
時は西暦130年代古代ローマ時代、公衆浴場(テルマエ)専門の設計
技師ルシウス(阿部寛)はスランプで途方に暮れているた。ある日
ローマ風呂の底に開いた穴を覗いていると。突然吸い込まれ、何と!
21世紀の日本の銭湯にタイム・スリップしてしまったのだ。
そこで見たものは、驚愕の日本の「銭湯文化」「温泉療法」であった。
日本の銭湯というと、先ずは世界遺産になった富士山のタイル壁画!
そして何といっても風呂上りとフルーツ牛乳のコラボは格別である!
風呂屋のノレン、脱衣カゴ、シャンプーハットなど風呂グッズも良い。
本当に日本人は温泉が好きだ、特に今若い女性は露天風呂好きである。
大自然に素っ裸!の開・放・感がいいのだろう。そして温泉たまご!
それらをタイムスリップで戻る度にローマ風呂にもたらし、ルシウスの
名声は高まり、結果、皇帝バドリアヌス(市村正親)の専属設計となり、
後継皇帝ケイヌスのために、新浴場の建設を命令された。
しかし今までの偉業は日本人からのパクリであることの自責と尊大な
後継皇帝(北村一輝)の反抗から命令を断ったため、反逆として窮地
に陥った!この結末はDVDでどうぞ。
いやはやナンセンス!タイムスリップでローマ風呂と日本銭湯を行き
来する間に、どういう訳か必ずイタリア人のオペラ独唱が登場する。
日本人を「平たい顔族」と称し、ヒロインは正にキュートな平たい顔
女優(上戸彩)が好演、銭湯の裸のおじさんたちは皆、平たい顔の
エキストラを配した。
一方ローマ人は阿部や北村など特に顔の濃い役者を集めてリアルさ?
を醸し出しているのが面白い。
原作は異色の漫画家ヤマザキマリさん、監督は?なるほどなるほど
あの「のだめカンタービレ」の武内英樹だったのか!
それならこのナンセンスさは理解できましたワ
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