「表現の自由」「言論の自由」と「公序良俗」の対立は
永遠のテーマである。
見るに堪えない猥褻(わいせつ)やおぞましい残酷シーン
は当然規制されるべきだが、その限界が難しい。
古くは1951年、英国翻訳「チャタレー夫人の恋人」の
わいせつ裁判が有名。
男のイチモツを切り取った「阿部定事件」の映画化
「愛のコリーダ」(1976)の解説本がわいせつ物頒布罪
で(大島渚)監督が訴えられたのを思い出す。
国家というものは、国の安寧を乱す者や批判勢力を封じ
込めたいものだ。
その最たるものは中国「秦」の時代に行われた「焚書坑儒
ふんしょこうじゅ」であろう、国家に反する書物を検閲し、
没収焼却し、その思想家を弾圧した。
という訳で「現代の焚書」をテーマにした映画といえる
「図書館戦争」(2013)に一言
時は2019年、国の法律「メディア良化法」が制定され
公序良俗を乱し、国家にとって面白くない書物や報道
は、その表現が規制された。
「メティア良化隊」なる組織が作られ、厳しい検閲と
監視と取り締まりを実行していた。
一方図書館法なるものがあって「図書館の自由宣言」
を守るために自衛組織「図書隊」なる組織があった。
この二つの矛盾する法律により、「メデイア良化隊」と
「図書隊」が武器を使用して、戦闘までする内容。
題材はシリアス&荒唐無稽?な政治ドラマであるが、
ストーリーは青春ラブ・コメディーである。
図書隊の笹原郁(榮倉 奈々)は男勝りのずっこけ
女隊員である。
一方堂々篤(岡田准一)は鬼隊長だが、勇敢で
心優しい男である。この二人の恋のやりとりが本当に
面白いのだ。
そして二人を見守る仲間たちがフレンドリーである。
このラブコメが若者の圧倒的な共感を受けて、小説は
(有川浩)「原作で300万部の大ヒット、漫画、アニメ、
そして映画化(佐藤信介監督)され、全て大ヒットな作品
となっている。
いまの若者たちに「表現の自由や言論の自由」の大切
さを知ってもらうに大きな貢献している作品といえます。
われわれ世代は活字世代ゆえ「焚書」されたら、
生きていけない御仁が多々いると推察しますゾ。
コメント
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