この所(ルネー・ゼルウィガー)の映画を追いかける私、まるで
ストーカーになった気分。というわけで、少々古い映画なれど、
夏枯れ紙面埋の意味をこめて「しあわせ色のルビー」'98に一言。
米国は「人種のるつぼ」というけれど、世界一の大都市ニューヨークの
ど真ん中に、ユダヤ人の伝統的風習のままの地域が存在するとは驚きだ。
黒のスーツに、黒の山高帽、やぎ髭、を正装として生活し、ラビ(宗教
指導者)を中心に、敬けんなるユダヤ教徒の集団が住んでいるのです。
映画というのはホント勉強になりますワ・・
ソニア(R・セルウィガー)はそんなユダヤ人社会で生まれた。
今は、ユダヤ教義の小学校教師の妻であり、赤子の母である。
しかし彼女は不自由な宗教コミュニティーになじめない、耐え難い。
特に夫は、あまりにも宗教心が強く、まじめ。神は全てをご覧に
なっていると、夜の夫婦生活まで禁欲するありさまである。
そんな彼女に、宝石の闇商売の仕事が舞い込んだ。父から受け継いだ
宝石鑑定の目利きを見込まれてのことだ。外の社会で生き生きと能力を
発揮し、しだいに自立する。
この話を持ってきたのは義兄である。しかし彼は中々の俗物、当然、
仕事の代償として、彼女の体を求めるのであった。
「神が、女の相手にと、創った男は醜すぎる、その中で貴方が一番醜い」
義兄のS@Xを受けながら言った科白は中々考えさせられます・・・・。
一方、主婦でありながら、外で闇商売をする彼女に対して、
夫もコミュニティーも、冷たい仕打ちを与える。彼女は果たして・・・
正に「宗教と生身の人間」と「社会と個人」との対立である。社会に
そむく事は、親しい人達を敵に回す事でもあり、辛く勇気がいる事だ。
そんな難しい役を(R・セルウィガー)は旨く演じていた。
彼女は今、ハリウッドのメジャー女優に出世した。彼女の栄光はこんな
作品やら、コメディーのチョイ相手役やら積み重ねた結果であろう。
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