シネコン劇場では決して上映されない映画こそ芸術作品なのですネ。
というわけで公共施設で公開された映画「赤目四十八瀧心中未遂」拝見。
ルビをふると「あかめしじゅうやたき・しんじゅうみすい」と発音します。
題名から近松門左衛門ものかなと思ったら。平成10年の直木賞受賞作品、
(車谷長吉)氏の作品だった。不覚にも原作を読んでないもので本筋を
全く理解せぬままこの映画を見終えたのです。よって感想文はポイント
がはずれていると思います。お許しを。
ポスターを見ると映画各賞そうなめ、初主演の(寺島しのぶ)さんは
日本アカデミー賞 主演女優賞をもらっています。原作は直木賞、
映画はブルーリボン賞と経歴は文句なしの映画、いやでも期待は膨んだ。
さて一流大学を中退した男、生島(大西滝次郎)は現代社会から逃避し、
尼崎(アマ)に流れてきた。古く掃溜めの様なアパートは、生きる価値
もない自分に相応しい場所と思えた。
しかしそこに住む住人達は皆、社会の底辺に生きるあぶれ者であった。
肥満した売春婦、S@Xの最中、国電駅名を唱え続ける売春婦、
謎の刺青師(内田裕也)、マネキンを自分の子供と思い続ける夫婦、
社会から落ちこぼれた生島とはいえ、尼(アマ)のこの安アパートでは
かたぎのエリート、別世界の人間、あくまで、よそ者として扱われた。
・・・以下内容でますので ご注意くださいませ・・
ある夜、向かいの部屋の女、綾(寺島しのぶ)が部屋に入ってきた、
女は服を脱ぐ、背から尻にかけ見事な菩薩の刺青が彫られていたのだ。
二人は獣の如く激しく交わるのだった。
寺島しのぶは正真正銘のお嬢様である、しかし全身刺青の裸体を
惜しげもなくさらし、大胆なラブシーンを演じた。綾は美しい女だが、
貧困育ちか、品の悪さを時々垣間見せる、あの演技は見事!
本当に梨園出身か疑いたくなるほどだ。
安田道代!否!大楠道代、内田裕也の脇役陣、うさんくさく蠢く
底辺社会の人間を見事に演じた。これだけ揃えていよいよ佳境に
入り何が起こるかと思いきや?
なぜか?主役の二人は心中の道行きとなる、赤目四十八瀧を行くこと
行くこと、戻りも戻ること長い長い!まるで四十八の滝の観光案内。
この心中、近松ものの如く、二人に離れがたき深い深い縁があるとは
思えない、死ぬ理由も希薄だ、この辺が納得出来ないので、本筋テーマ
が判らない、よって道行は恋人とのハイキングにしか見えなかった。
私の得意(楽しみ)は軽薄なるB級ハリウッド映画の中から、
わずかでも芸術性を見つけるとか、人間の悲しさや愚かさなのど
本性を探すことだ。
そして最も不得意なことは芸術作品の中から芸術性を見つける
ことなのです。よってこの映画のファンの方お許しを!
軽薄な私にはB級エンターテインメントが向いているのでしょう。
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